ターキッシュ エアラインズ、アルメニアへの直行便就航へ

(トルコ、アルメニア)

イスタンブール発

2025年10月07日

トルコの国営航空会社ターキッシュ エアラインズはアルメニアの首都エレバンへの定期直行便の運航計画を発表した。9月30日にトルコの情報公開プラットフォームKAP(注)に掲載された声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで明らかになった。就航開始日や運航頻度などの具体的なスケジュールは未定だ。ナショナルフラッグであるターキッシュ エアラインズの就航により、両国の緊張関係の緩和と経済交流の促進が期待される。

両国間では、2025年6月にトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とアルメニアのニコル・パシニャン首相による首脳会談、同年9月に両国特使会談が行われるなど、外交関係の改善に向けた取り組みが進んでいる。アルメニアで行われた特使会談は、閉鎖されていた両国の陸路国境からの入国を経て実施された。

10月現在、イスタンブール~エレバン間の直行便は、トルコのペガサス・エアラインズが唯一就航しているが、かつては不定期な運航状況だった。また、アルメニアのフライワン・アルメニアも就航していたが、2023年のトルコ航空当局によるトルコ空域運航停止措置を受けて停止していた。これまでアルメニアから欧州へのアクセスは、ロシアやウクライナ経由が主流だったが、ターキッシュ エアラインズの就航により、アルメニアから欧州へのアクセスに新しい選択肢が加わることとなる。

また、トルコとアルメニアは2026年夏までに両国間の複数都市への航空便再開に向けた措置を講じることを協議している(9月12日付国営アナドル通信)。コーカサス地域の安定に向けた動きとして引き続き注目される。

(注)トルコの中央証券保管機関(Merkezi Kayıt Kuruluşu A.Ş.)が運営している。

(遠藤誠吾)

(トルコ、アルメニア)

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