中国の第3四半期の貿易統計、引き続きASEAN向け輸出が伸びる
(中国、ASEAN、米国)
北京発
2025年10月20日
中国海関総署(中国税関)の10月13日の発表によると、2025年第1~第3四半期(1~9月)の貿易総額は前年同期比3.1%増の4兆6,842億ドルとなった。うち、輸出額は6.1%増の2兆7,796億ドル、輸入額は1.1%減の1兆9,046億ドルだった。なお、9月単月は貿易総額が前年同月比7.9%増の5,667億ドル、輸出額が8.3%増の3,286億ドル、輸入額が7.4%増の2,381億ドルだった。
主要貿易相手国・地域別に1~9月の貿易額をみると、輸出では、ASEANが前年同期比14.7%増の4,876億ドル(中国の輸出額全体に占めるシェア17.5%)、EUが8.2%増の4,170億ドル(同15.0%)、米国が16.9%減の3,172億ドル(同11.4%)、日本が4.4%増の1,165億ドル(同4.2%)となった(添付資料表参照)。好調なASEAN向け輸出のうち、タイが22.5%増、ベトナムが22.3%増、インドネシアが14.8%増と2桁の伸びを示している。輸入では、ASEANが0.4%減の2,892億ドル(中国の輸入額全体に占めるシェア15.2%)、EUが3.2%減の1,972億ドル(同10.4%)、台湾が8.0%増の1,693億ドル(同8.9%)、日本が5.6%増の1,194億ドル(同6.3%)、米国が11.6%減の1,086億ドル(同5.7%)だった。なお、米国との貿易額は4月以降、前年同月比で2桁のマイナスが続いている(添付資料図参照)。
中国の1~9月の貿易額(全世界向け)を主要品目別にみると、輸出は肥料が前年同期比59.6%増、集積回路が23.3%増、穀物が22.1%増、船舶が21.4%増と増加が続く。レアアースは7.8%減(数量は12.6%増)となった。輸入では、シャーシを含む自動車が40.1%減(数量は32.4%減)、自動車部品が22.2%減と引き続き減少幅が大きい。また、石炭が34.0%減、石油製品が21.1%減、天然ガスが14.3%減、原油が11.2%減とエネルギー関連も2桁の減少となった。増加が大きい品目では、非積載状態の重量が2トンを超える航空機が68.2%増、天然および合成ゴムが33.7%増、自動データ処理設備および部品が27.2%増だった。
国務院新聞弁公室が10月13日に開催した記者会見で、輸入の伸びが輸出の伸びに対して弱いことについて、海関総署の呂大良報道官は「第3四半期までの期間、国際市場における一部大口商品の価格の下落が輸入額の伸びに一定の影響を与えたが、輸入量をベースにみてみると、輸入数量指数は前年同期比0.6%増と増加を示している。また、製造分野における外資参入制限が『ゼロ』を実現したことに伴い、第3四半期までの外商投資企業による輸入は1.1%増となった」と解説した。
(亀山達也)
(中国、ASEAN、米国)
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