デンマーク運輸省、使用燃料の40%以上SAF利用便の国内線運航会社を決定
(デンマーク)
デュッセルドルフ発
2025年10月20日
デンマーク運輸省は10月8日、ノルウェー航空に対して、2026年3月からコペンハーゲン空港とデンマーク北部オールボー空港間を就航する環境負荷の少ない国内航空路線について、補助を提供すると発表した(プレスリリース、デンマーク語)。
同航路の補助スキームは、従来の化石燃料由来の航空燃料と対比した、持続可能な航空燃料(SAF)を使用するコストの差分を補助するもので、入札によって運航する航空会社が決定された。同スキームには2027年までで1億8,600万デンマーク・クローネ(約44億6,400万円、1デンマーク・クローネ=約24円)が予算計上されている。応札条件としては、対象となるフライトで使用燃料の40%以上をSAFとすることなどが設定されていた。
本スキームについては欧州委員会が2025年7月29日に、航空分野の温室効果ガス(GHG)排出削減のために必要でかつ適切な措置であること、競争の公平性を大きくゆがめるものではないとして、承認を発表していた。公募期間は8月6日から9月29日までで、応札者の提案内容の審査を経て、10月8日に落札結果が公表された。
今回、2社の航空会社から応札があり、ノルウェー航空が落札した。支援対象期間は2026年3月1日から2027年12月31日までで、この期間中、合計3,541回のフライトが予定されており、二酸化炭素(CO2)排出量は約6,700トン削減されると試算されている。
現状、技術的、安全的制約からSAFの混合上限値は50%までとすることが国際規格で定められているが、今回の取り組みでは、この上限値に限りなく近い混合率で運航される。
本スキームは2027年の支援期間終了後、2029年までを支援期間対象とする新たな入札が実施される予定。デンマーク政府は今回のスキームを通じ、航空産業の脱炭素化を推し進めていくとしている。
(安岡美佳)
(デンマーク)
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