日本産のコメやマグロがブラジルに初輸入で、プロ向け試食イベント開催
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年10月28日
ジェトロは10月13日、サンパウロ市のジャパンハウスで、日本産米と日本産マグロを紹介するプロ向け試食イベントを開催した。会場にはレストラン関係者、ジャーナリスト、インフルエンサーなど約70人が参加し、日本食材への関心の高さをうかがわせた。
日本産米の魅力、調理方法を紹介
イベントでは、日本食における日本産米の重要性や特徴について説明が行われたほか、現地の料理人を対象に、正しい米の研ぎ方や炊き方など調理のポイントが実演形式で説明された。2025年に初めてブラジルに輸入された日本産米を使用したおにぎりや、すし用シャリの試食も行われ、参加者からはその食味の良さに高い関心が寄せられた。
日本産マグロ6種がブラジルに初の輸入
マグロの提供を行ったオーケーコーポレーションは、マイナス60度の超低温冷凍技術を用い、天然マグロの酸化を防止しながら、日本からブラジル向けにマグロを輸送した。日本産マグロがブラジルに正式輸入されるのは、実質的に今回が初めてとなる。ブラジルでは動物性食品の輸入に際しては、輸出国側の最終加工場施設登録および輸出品ラベル登録(DIPOA)など所定の輸入の手続きが必要となる。これまで食用の日本産水産物としてはハマチやかつおぶしなどが輸入されていたが、今回初めて6種のマグロの輸入に成功した。オーケーコーポレーションの小川ケンジ社長は「ブラジル国内では、時期によりマグロの供給が途切れることがあるが、冷凍であればそうしたリスクはなくなる。また、日本と同等品質のマグロを届けることで、差別化できる商品を提供することが可能であり、勝機はある」と述べ、今後は他の日本産水産物の輸出にも挑戦する意向を示した。
現地メディアからも高評価
当日登壇した現地人気グルメ番組「Sabor Arte」のメインキャスター、ジョジマール・メロ氏は「1990年の輸入規制解除以降、ブラジルの食文化は大きく変化してきた。今回、日本から『本物』のマグロとコメが入ってきたことで、日本食のレベルがさらに上がるだろう」とコメントした。さらに「イタリア料理におけるパスタと同様に、日本食ではコメが中心。この重要な食材が輸入されるようになったことを心から喜びたい」と語り、ブラジルにおける日本食文化の発展に期待を寄せた。
シェフによるコメの調理方法の実演(ジェトロ撮影)
試食用のマグロをカットするパフォーマンスの様子(ジェトロ撮影)
マグロを試食する参加者たち(ジェトロ撮影)
(堀池桃代)
(ブラジル)
ビジネス短信 2804160101f6ec44




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