ウィーンの日本酒イベント「サケ・ウィーク・ウィーン」、5回目の開催で過去最大に
(オーストリア、日本)
ウィーン発
2025年10月28日
日本酒イベント「サケ・ウィーク・ウィーン」が10月1~11日に、オーストリアの首都ウィーンで開催された。期間中、ウィーン市内の複数のレストランで日本酒をテーマにした特別コースが提供された。オーストリアにおいても日本酒への関心が高まっており、レストラン関係者などの地元有志により2018年から同イベントが開催されている。主催は、本イベントの発起人で日本レストラン経営者でもあるウォルフガング・クリバネツ氏で、今回で5回目の開催となった。
最終日の11日にはメインイベントとして日本酒試飲商談会「サケ・フェア&ジャパン・フード・ショー」が開催された。2025年は初めて日本の食品も出展し、会場規模も前年よりも拡大して市内の美術館「ムセウムズ・クワルティール」で行われた。
会場の様子(ジェトロ撮影)
主催者によると、「サケ・フェア&ジャパン・フード・ショー」には38の事業者が出展。内訳は、酒蔵・輸入業者が20社、食品業者が12社、レストランが3社、そのほか、日本畜産物輸出促進協議会など日本関連の企業・団体が出展した。来場者数は約500人で、過去最多を記録。内訳は、ビジネス関係者約80人、一般客約370人、来賓など招待客約50人だった。
ジェトロが設けたブースには、佐賀・京都・岡山の酒蔵5社が出展。また、山形県酒造組合が県と県酒造組合が開発したオリジナルブランドである純米大吟醸「山形讃香(さんが)」を紹介した。特別ゲストとして、日本酒と日本文化を発信するアンバサダー「ミス・サケ」の齋藤ひかり氏が来場し、流暢(りゅうちょう)なドイツ語で日本酒の魅力をアピールした。
参加者による集合写真(ジェトロ撮影)
日本からの出展者は、現地のインポーターやディストリビューターとの交流の機会を高く評価し、来場者の日本酒に対する関心と知識の高さに驚いたと話した。2026年の再参加を検討している企業もある。
日本酒は現在、オーストリアでブームとなっている。10年ほど前にはほとんど知られておらず、入手困難なエキゾチックな酒類だったが、現在では大型スーパーマーケットなどでも販売されている。オーストリア統計局によると、2024年の日本からの日本酒をはじめとした発酵飲料の輸入額は約70万ユーロだった。ただし、現地関係者によると、多くの日本酒はドイツやオランダのインポーター経由で調達されているため、実際の輸入額はこれよりもはるかに高いとみられる。
(エッカート・デアシュミット)
(オーストリア、日本)
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