ペルーのヘリ大統領、閣僚人事を発表
(ペルー)
リマ発
2025年10月16日
ペルーで10月10日に暫定的な大統領に就任したホセ・ヘリ氏は14日、閣僚人事を発表し、大統領府で宣誓式を行った。
首相には元憲法裁判所長のエルネスト・アルバレス氏が就任した。直前まで私立サン・マルティン・デ・ポーレス大学法学部長を務めていた。憲法の専門家としての経験は豊富だが、議会との政策調整や、安全対策に不満をもつ国民との対話などに経験のない首相としての役割が期待される。地元報道によると、ヘリ大統領は企業経営者など複数の人と接触し、首相就任を打診したが、立て続けに断られ、人選は難航した。
デニセ・ミラジェス経済財政相は投資促進庁(PROINVERSIÓN)勤務が長く、経済財政副大臣を経験した。日本に留学経験もある。ウゴ・デ・セラ外相は外務副大臣のほか、アルゼンチン、ブラジル、米国で大使を務めた。テレサ・メラ通商観光相とセサル・キスペ生産相は副大臣からの昇格だ。これらの人選から、財政、外交、貿易・産業分野の体制は大きく変えず、ペルーでは2026年4月に大統領選が予定され、新大統領が就任する同年7月の政権交代まで乗り切る方針とみられる。
ルイス・ブラボ・デ・ラ・クルス・エネルギー鉱山相は、アジャクチョ県などで配電や電力販売などを行う政府系特殊会社エレクトロセントロ(Electrocentro)で20年以上にわたって電気技師を務め、2022年にはエネルギー鉱山省(MINEM)大臣官房アドバイザーに就いた。非合法鉱業の合法化を促進することを目的とする鉱業合法化統合登録(REINFO)制度は12月31日の期限が迫り(2025年7月1日記事参照)、制度改革の山場を迎える。政府と議会の考え方に隔たりがあるため、担当大臣としての手腕が問われる。閣僚人事は次のとおり(敬称略)。
- 首相:エルネスト・アルバレス
- 外相:ウゴ・デ・セラ
- 防衛相:セサル・ディアス
- 経済財政相:デニセ・ミラジェス
- 内相:ビセンテ・ティブルシオ
- 法相:ワルテル・マルティネス
- 教育相:ホルヘ・フィゲロア
- 保健相:ルイス・キロス
- 労働雇用促進相:オスカル・フェルナンデス
- 農業灌漑相:ブラディミル・クノ
- 生産相:セサル・キスぺ
- 通商観光相:テレサ・メラ
- エネルギー鉱山相:ルイス・ブラボ・デ・ラ・クルス
- 運輸通信相:アルド・プリエト
- 住宅建設衛生省:ウィルデル・シフエンテス
- 環境相:ミゲル・エスピチャン
- 女性社会的弱者相:サンドラ・グティエレス
- 文化相:アルフレド・ルナ
- 開発社会包摂相:レスリ・シカ
(石田達也)
(ペルー)
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