ECFの第5回レビューでIMFとスタッフレベル合意、3億8,500万ドルの追加融資へ

(ガーナ)

アクラ発

2025年10月21日

IMFは10月10日、ガーナへの総額約30億ドルの拡大クレジットファシリティー(Extended Credit Facility、ECF)の第5回レビューについて、スタッフレベルで合意に至ったと発表した。IMF理事会で承認されれば、約3億8,500万ドルの追加融資が実行され、2023年5月の支援開始から金融支援の総額は約28億2,500万ドルとなる。

ルーベン・アトヤン氏率いるIMFチームは9月29日から10月10日にかけて、ガーナの首都アクラを訪問してECFプログラムの第5回レビューを行い、同国の2025年上半期の経済状況や財政状況、債務再編の進捗を評価した。レビューによると、経済は、サービス業と農業の好調によって予想を上回る成長を記録し、金とココア輸出増加で外貨準備高も目標を上回っている。通貨セディは大幅に上昇し、インフレ率もガーナ中央銀行の目標範囲(8±2%)に収まる見込みだ。財政面では、2025年1〜8月のプライマリーバランスがGDP比1.1%の黒字となり、2025年末には目標の1.5%を達成すると予測されている。債務再編も順調に進行しており、中国、フランス、フィンランド、英国に加え、スペインとも2国間合意に達している。

ガーナの経済安定化と財務改善が着実に進んでいることが示され、大手格付け機関ムーディーズは10月11日に同国の信用格付けを「Caa2」から「Caa1」に引き上げ、見通しを「安定的」に変更した。

(中川翼)

(ガーナ)

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