模倣品さらす「プラギアリウス賞」、模倣行為に一定の抑止効果

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2025年10月17日

ドイツ特許商標庁(DPMA)は10月8日、模倣品対策を目的とした「プラギアリウス賞2026」(注)の募集を行うと発表した(同庁サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツ語)。同賞は、製品やブランドの模倣行為を公に指摘することを目的とした「負の賞」で、2026年で50回目を迎える。

応募者は、自社のオリジナル製品と他社に模倣された製品を提出し、その模倣者(製造者または販売者)を推薦できる。選考前には模倣者にノミネートされたことが通知され、反論の機会が与えられる。賞の知名度と報道効果により、模倣者が市場撤退や和解に応じる事例も見られるなど、一定の抑止効果があるとされる。

授賞式は2026年2月6~10日にフランクフルトで開催される国際消費財見本市「アンビエンテ」内で行われ、展示も実施される。その後、ゾーリンゲン市のプラギアリウス博物館やインターネット、巡回展で広く公開され、模倣行為撲滅への意識喚起を図る。

トロフィーは金色の鼻をした黒いノーム(妖精)の像で、「荒稼ぎする」という意味の「金色の鼻を稼ぐ」というドイツ語の慣用句にかけて、同賞創設者のリド・ブッセ氏が考案したものだ。

応募締め切りは10月31日で、締め切り日以降に遅れ提出しても、11月12日まで可能だが、申し込み金額が上がる。

(注)「プラギアリウス」とは、ラテン語が語源で、「盗作・剽窃(ひょうせつ)を行う人」を意味する。

(吉森晃、佐藤吉信)

(ドイツ)

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