ゲームの「私的保存」にも補償金、管理団体VHGが請求権行使を可能に

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2025年10月02日

ドイツ特許商標庁(DPMA)は9月25日、「ゲーム制作者のための著作権管理団体(VHG)」に対して、営業許可を付与したと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ドイツ語)。

VHGは、ゲーム開発者やパブリッシャーが私的利用に伴う補償金請求権(ドイツ著作権法第54条以降)を一括して行使できるよう支援する団体で、2023年に設立された。今回、DPMAへの申請が認められ、営業許可が与えられた。

ドイツ著作権法では、音楽や映像などの著作物が私的に保存される可能性がある場合、実際の保存の有無にかかわらず、保存可能な機器や記録媒体の製造業者に対して補償金を請求できる制度が存在する。こうした請求は、著作権者が個別に行うことは認められておらず、認可を受けた著作権管理団体のみが行使できる。

VHGはこの制度をゲーム分野で初めて請求権行使を担う団体で、DPMAが監督する14番目の著作権管理団体となった。ドイツで事業展開する日本のゲーム企業にとっても、これまで制度上行使できなかった補償金請求が可能となり、新たな収益機会の創出が期待される。

(吉森晃、佐藤吉信)

(ドイツ)

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