ASEANビジネス投資サミット、繁栄共有に向けた市場統一をテーマに議論
(ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール、ベトナム、カナダ)
シンガポール発
2025年10月29日
ASEANビジネス投資サミット(ABIS)が10月25日から26日にかけて、クアラルンプールのマレーシア国際貿易展示場(MITEC)で開催された。これは、ASEAN首脳会議の併催イベントとして、ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)マレーシアが主催した。
今回のABISのテーマは「繁栄共有に向けた市場統一(Unifying markets for shared prosperity)」で、経済統合を加速させ、強靭(きょうじん)で急成長している先進的な経済ブロックとしての地位を強化するというASEANの喫緊の必要性を反映した。
イベントは、パネルディスカッションやファイヤーサイドチャット(くつろいだ雰囲気での対話)などで構成され、ファイヤーサイドチャットには、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領、マレーシアのザフルル・アジズ投資貿易産業相、タイのスパジー・スタンパン商務相、ベトナムのファム・ミン・チン首相、ブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領、カナダのマーク・カーニー首相などが登壇した(登壇順)。
チン首相は、世界大のサプライチェーンが機能不全に陥った場合、ASEANは内部のつながりを強化し、相互に支援し、強靭性を高め、外部ショックを相殺するために、経済をさらに開放しなければならないとの考えを披露した。チン首相のABISでの発言は、ベトナム地場英字紙「ベトナム・ニュース」などが伝えた。
ASEANビジネス投資サミット(ABIS)の様子(ジェトロ撮影)
カーニー首相は、今後10年で米国以外への輸出を倍増させる野心的な目標を発表したこと(カナダ首相府ウェブサイト参照
)に触れ、そのかなりの部分をASEANが占めると見込んでいると言及した。このことが2026年までにASEANとの自由貿易協定(FTA)を締結しようとしている理由の1つとした。ASEANとカナダ双方は当初、ASEANカナダFTA(ACAFTA)について、2025年の交渉妥結を目指していたが、交渉期限を1年延長し、2026年までとすることで2025年9月に合意していた(2025年9月17日記事参照)。
(朝倉啓介)
(ASEAN、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール、ベトナム、カナダ)
ビジネス短信 008e8c7d981805d3




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