メキシコ最大級の自動車関連展示会、ジェトロはジャパンパビリオン初出展

(メキシコ、日本)

メキシコ発

2025年09月22日

自動車分野に特化した展示会・商談会「グアナファト・自動車サプライチェーンフォーラム2025」〔Foro de Proveeduría Automotriz Guanajuato(FPA)2025〕が9月10~11日、メキシコのグアナファト州レオン市で開催され、ジェトロは初めてジャパンパビリオンを設置した。

グアナファト州自動車クラスター(CLAUGTO)が主催するこのイベントは、メキシコ国内最大規模の自動車関連イベントの1つで、会場は大きく「展示ブースエリア」と「BtoB商談エリア」の2つに分かれ、前者には国内外から約320社が出展した。後者にはマツダや現代モービス、コンチネンタルなどを含む175社超の完成車メーカーや主要1次部品メーカーがバイヤーとして参加し、サプライヤーとの個別商談を行った。

写真 BtoB商談のエリア(ジェトロ撮影)

BtoB商談のエリア(ジェトロ撮影)

ジェトロは展示エリアにジャパンパビリオンを初設置し、中堅・中小企業8社を含む9社が参加した(注1)。日本の高品質の部品や加工技術、周辺サービスを紹介した。会場内のネットワーキングエリアでは、出品企業による企業紹介ピッチも行われ、来場者の注目を集めた。また、ジャパンパビリオンとは別に、伊藤電機、北川鉄工所、JSP、スリーボンド、テクノステート、豊田通商、ぺんてる、ユーシンなども独自ブースを設けた。

写真 来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

来場者でにぎわうジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオン出品企業による企業紹介のピッチ(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン出品企業による企業紹介のピッチ(ジェトロ撮影)

世界的な供給網再構築や米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)による原産地規則の厳格化(注2)、トランプ米政権による追加関税賦課などを背景に、メキシコでは自動車部品の現地調達ニーズが高まっている。出品企業からも、「現地調達を模索するバイヤーから具体的な引き合いが多数あった」との声が寄せられたほか、「北米でメキシコの生産拠点としての重要性を再認識した」「(直接バイヤーとコミュニケーションを図れたことで)普段どのような販路で製品を購入しているか、ヒアリングすることができた」など、今後の進出・販路拡大に向けた示唆を得た企業も多かったようだ。

次回のFPAは2026年9月9~10日に開催される予定だ。

(注1)ジャパンパビリオンへの出品企業は、黒田精機製作所、コスモ計器、帝国インキ製造、阪神ネジ、Biodata Bank、藤田螺子工業、マキタ、ミナミダ、山口製作所の9社。

(注2)USMCAでの自動車分野の原産地規則は、前身の北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を経て厳格化され、北米域内(米国、メキシコ、カナダ)での調達がより高いレベルで要求されるようになった。詳しくは2019年5月8日付地域・分析レポート参照

(山中真菜)

(メキシコ、日本)

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