国内最大級のスタートアップ展示会「Future Tech Fest」、デュッセルドルフで開催、多くの来場者でにぎわう
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2025年09月22日
ドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州のデュッセルドルフで9月11日、国内最大規模のB2Bスタートアップ展示会・技術カンファレンス「Future Tech Fest(FTF)2025」が開催された。同イベントは、これまでの「Digital Demo Day」から前年に「FTF」に名称変更し、今回で通算9回目の開催となった。
主催者によると、今回は約5,000人が来場し、300社以上のスタートアップが出展、約120人の投資家が参加した。また、デュッセルドルフ市内ではスタートアップ関連のネットワーキングやセミナー、ピッチイベントなどを各地で行う「スタートアップウイーク」も9月8日から12日にかけて併催され、市全体でスタートアップへの機運を盛り上げた。
FTF会場となったデュッセルドルフ郊外のアレアル・ベーラー(ジェトロ撮影)
出展で注目されていたのは、人工知能(AI)とその利活用に伴う倫理的課題やデータ保護、グリーンテックやヘルステック、次世代モビリティー技術やサイバーセキュリティー技術などの分野で、出展者は来場した多くの企業関係者や投資家、他の出展者などと交流、商談を行った。また、会場内の複数のステージでは、著名なスタートアップ創業者や政府関係者らによる講演やピッチバトルが行われ、多くの聴衆の関心を集めた。ピッチバトルの優勝者となったのは、ドイツ・アーヘン工科大学のスピンオフ企業で、特殊なプラズマコーティングを生かしてプラスチック包装材のリサイクル性を向上させる技術を持つイオンクラフト(IonKraft)だった。
ジェトロもジャパンブースを設置し、日本発のスタートアップ7社が出展した。AI、グリーンテック、エネルギーテック、ヘルステックなど革新的な技術やサービスをアピールした。出展企業からは、「来場企業や投資家などとのネットワーキングをできる貴重な機会となった」とのコメントがあった。
ジャパンブースの周辺(ジェトロ撮影)
主催団体のデジタルイノベーションハブ・デュッセルドルフ/ラインラントのピーター・ホーニック代表は日本のスタートアップの出展に対して、「NRW州に拠点を置く日系企業がデュッセルドルフのテック分野のホットスポット形成に重要な役割を果たしている。今後も密接な連携を通して、ドイツと日本の間のさらなるビジネス交流や協業の促進につながることを期待している」と述べた。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ)
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