成都発のプロジェクターメーカーXGIMI、ベトナム新工場が正式稼働
(中国)
成都発
2025年09月11日
中国の成都高新区管理委員会は8月22日、同区に本社を置く極米科技(以下:XGIMI)(注)がベトナム・ニンビン省美順工業団地に新設した工場の稼働を正式に開始し、第1号機のプロジェクターも既にラインオフしたと発表した。
同ベトナム工場は、総投資額が1,400万ドルで、敷地面積は5.67ヘクタール、年間100万台の生産能力を持つ。2024年から設立の準備を始めたが、グローバル市場の拡大や、今後の供給ニーズに効果的に応える役割を果たす。現地では企業所得税や関税などの優遇措置を受けるという。
2024年末時点で、XGIMIの世界累計出荷台数は700万台を突破し、家庭用プロジェクター市場で世界首位の地位を維持している。2025年上半期に公開された業績予想によると、純利益は8,866万2,200元(約18億6,191万円、1元=21円)に達し、前年同期比で約21.6倍の飛躍的な成長を遂げた。また、2024年の海外売上高は10億8,600万元(前年同期比18.94%増)に達し、総売上高の31.89%を占めている。同社は欧州、北米、日本、オーストラリアを中心とする主要市場に6,000以上の小売店舗を有している。
海外展開の加速とともに、XGIMIは「家庭用・車載用・業務用」の三位一体のビジネスモデルを構築した。業務内容にはインテリジェントコックピットやスマートヘッドライトなども含まれており、既に量産・供給を実現した。賽力斯集団(セレス)の問界M8、M9、北汽集団の尊界S800、享界S9など複数の車種に、XGIMIの車内後部席向けプロジェクターが搭載されている。
問界M8の車内プロジェクター(ジェトロ撮影)
(注)極米科技は2013年に成都市高新区で設立された、新型ディスプレー分野に特化した企業。主に、スマートプロジェクターやレーザーテレビなどの革新的な製品の開発に取り組んでいる。
(曾小桐)
(中国)
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