ナバ・シェバ港、港湾能力で国内最大に
(インド)
ムンバイ発
2025年09月16日
インド西部マハーラーシュトラ(MH)州ナビ・ムンバイに位置するジャワハルラル・ネルー港(JNPT、ナバ・シェバ港)で9月4日、港湾運営大手のピーエスエー(PSA)インターナショナル(本社:シンガポール)が開発を進めてきた新コンテナターミナルの第2フェーズが竣工(しゅんこう)し、事業を開始した。PSAは世界45カ国以上で70を超える港湾・内陸ターミナルを運営するグローバル企業で、インドではナビ・ムンバイやチェンナイなどで事業を展開している。同社は同日付のプレスリリースで、「拡張により年間取扱能力は従来の240万TEU(注)から480万TEUに倍増し、インド最大のコンテナターミナルとなった」と発表した。
新ターミナルは総延長2,000メートルの岸壁を備え、複数の超大型コンテナ船を同時に受け入れる設計となっている。PSAによると、投資総額は13億ドルで、PPP(官民連携)方式に基づくシンガポールからインドへの直接投資としては過去最大規模だという。
開業式典には、インドのナレンドラ・モディ首相とシンガポールのローレンス・ウォン首相がオンラインで出席し、正式に開業が宣言された。PSAのオン・キム・ポン最高経営責任者(CEO)は「PSAムンバイの第2フェーズ拡張は、インドの貿易拡大を後押しする触媒であり、480万TEUの強化能力は国内外のサプライチェーンの強靭性を高める」とコメントした。
また、同ターミナルは港と内陸を結ぶ専用貨物鉄道と直結しており、JNPTから国内63カ所以上の内陸コンテナ基地に貨物を効率的に輸送できる。今後、幹線貨物鉄道がJNPTに完全接続すれば、物流の効率化がさらに進むと見込まれる。
サルバナンダ・ソノワル港湾・船舶相によると、JNPT全体の年間港湾能力は今回の拡張により1,000万TEU規模に達し、国内最大となった。一方、グジャラート州ムンドラ港は近年、年間取扱量でJNPTを上回り国内首位を占めてきた経緯がある。今後、拡張後の能力が実際の取扱量にどう反映されるかが注目される。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit):20フィートコンテナ1個を基準とする取扱量の国際的な単位。
(篠田正大)
(インド)
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