神戸市、シンガポールに新拠点設置

(シンガポール、日本)

シンガポール発

2025年09月02日

神戸市は8月27日、新たな海外拠点として、「神戸シンガポールビジネスオフィス」を開設した(神戸市プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同オフィスは、シンガポール国立大学の1つ、南洋理工大学(NTU)傘下の技術移転・創業支援機関「NTUitive」が運営するインキュベーション施設内に設置された。同施設は、政府系の産業インフラ開発機関JTCコーポレーションが所管するスタートアップ集積エリア「JTCローンチパッド@ワンノース」に位置している。

同オフィスでは、市内企業支援の企画・実行、国内外の支援機関との連携、現地情報の収集などを担い、神戸市職員1人が常駐する。NTUitiveの担当者によれば、日本の自治体がこの施設内に拠点を設けるのは初めてとなる。

同市の担当者はジェトロのインタビュー(2025年8月27日)で、拠点設立の背景について「東南アジアでの拠点設立を検討する中で、スタートアップとの共創やイノベーション拠点としてのシンガポールの優位性に着目した。特に、当市の強みであるものづくりや医療産業分野との親和性を踏まえ、世界有数の理工系大学であるNTUが運営するインキュベーション施設を選定した」と述べた。さらに、「シンガポールオフィスは、東南アジアにとどまらず、インドや中東地域もカバーする予定。今後は、ジェトロなどの関係機関と連携し、シンガポールや周辺地域からの企業誘致や、市内企業の海外展開を日本国内外から支援できる体制を構築していきたい」と語った。

なお、神戸市では2025年4月から、神戸空港での国際チャーター便の運航が可能となった。2030年前後には国際定期便の運航を目指すなど、海外との交流基盤の強化を進めている(2025年1月24日記事参照)。

(中島諒士)

(シンガポール、日本)

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