横浜家系ラーメン町田商店、欧州初店舗は好調な滑り出し
(スイス、日本)
ジュネーブ発
2025年09月10日
ギフトホールディングス(東京都渋谷区)、およびグループ会社であるラーメンマスター・スイス(RamenMaster Switzerland)は8月2日、スイス・チューリッヒに、欧州初の家系ラーメン店「町田商店アルビスリーダーブラッツ店
」を開店した。ギフトホールディングスはスイスのツークに子会社ギフト・ヨーロッパ(GIFT EUROPE)を設立、同社が、同じくツークに設立したニッポンAプラス(Nippon A Plus
)と共同出資し、ラーメンマスター・スイスを設立。ギフトホールディングの笹島竜也副社長が最高経営責任者(CEO)に、ニッポンAプラスのアレックス・ミュラー代表がゼネラルマネジャーに就任、ラーメンマスター・スイスを通じた合弁体制で、スイスにおいて横浜家系ラーメン店「町田商店」を展開する。ジェトロは8月27日にミュラー氏、9月1日に笹島氏に、チューリッヒ店開店後の状況について話を聞いた。
町田商店アルビスリーダーブラッツ店(町田商店提供)
町田商店のチューリッヒ1号店は現在、午前11時30分~午後11時までノンストップで営業している。笹島CEOによると、毎日多くの人が来店し、デザートを食べる習慣があるなど、1人当たりの注文数がこれまでの経験した店舗と比べても多く、客単価は想定よりも120~130%上振れしているという。1カ月の営業を通じて、スイスのチューリッヒに最初の店舗を出したことは成功だったと受け止めている。海外展開は既にアジアや米国で行っており、米国や中国は100%自己資本の直営店、アジアではフランチャイズ展開の2本立てで行ってきたが、直営店は現地での知見が十分でないこともあり、時にうまくいかないこともあったという。スイスおよび欧州での展開を合弁で進めるのは、ミュラー氏との出会いもあり、これまでの経験も踏まえて成功する確率を高めるためだと、笹島CEOは強調する。オペレーションの能力や味の再現性のノウハウなどは蓄積できているが、どこのロケーションが良いかが最も難しい。この点は現地の人と組むことで最高のロケーションと最高のブランド・オペレーションの組み合わせが可能となり、成功の確信が高まったという。欧州でどこの国から進出するかは、例えば、ドイツやフランス、英国のような人口が多い国は、市場が大きいけれども、競争相手も多く、先駆者が強いイメージがある。一番乗りしたレジェンド企業に勝つには、それなりの時間と労力を必要とするため、ブルーオーシャンから行きたいと考え、市場として上位10カ国に入っていたスイスを選択した。そして、複数の都市のラーメン店を見て回り、ニッポンAプラスのホテルやレストランの営業に詳しいメンバーの意見も踏まえて、経済都市であるチューリッヒに最初の店舗を置くことを決めた。
課題としては、クオリティーやサービスの課題を見つけた際の改善のスピード感が海外では日本と異なり、ここには文化的な違いが影響しているが、合弁であるがゆえに、日本の本社側が高圧的にならず、成功のための良いコンビネーションを生み出している。
一番人気の横浜家系MAXラーメン:27スイス・フラン(約5,000円)(町田商店提供)
ラーメンマスター・スイスは今後、直営店、フランチャイズの両輪で、欧州内に複数店舗を出店する計画だとしている。
(田中晋)
(スイス、日本)
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