ナミビア政府、「国際アフリカ水素サミット」を開催
(アフリカ、ナミビア)
海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課
2025年09月22日
ナミビア政府は9月9~11日、「国際アフリカ水素サミット(Global African Hydrogen Summit 2025)」をナミビアのウィントフックで開催した。サミットには1,500人以上が参加し、アフリカやナミビアにおける水素環境に対する国際的な関心の高まりがうかがえた。
本サミットは「Ambition in Action:Fuelling Africa's Green Industrial Revolution(行動する野心:アフリカのグリーン産業革命に燃料を)」をテーマにアフリカおよび世界各国の閣僚、ビジネスリーダー、投資家らがアフリカ、特にナミビアにおける水素プロジェクトのパートナーシップ構築、投資および資金調達について議論を行った。
オープニングセレモニーで、ナテンゲ・イテテ(Natangwe Ithete)副首相兼鉱山・エネルギー相は「グリーン水素の取り組みは、ナミビア国民に真の恩恵をもたらすものでなければならない。尊厳、雇用創出、能力開発、そして原材料の輸出入依存からの脱却が必要だ」と強調。また、「地元で生産したものを地元で消費し、産業化、付加価値創出、エネルギー安全保障を推進していく」と述べ、水素生産国としての地位確立とさらなる発展の可能性にも言及した(9月14日付ナミビア政府プレスリリース)。
オープニングセレモニーでの写真撮影(ジェトロ撮影)
展示ブースでは、歴史的に関係の深いドイツをはじめ、欧州や南アフリカ共和国などの機関・企業が最新の水素関連技術や製品を紹介。来場者は各ブースを訪問し、ニーズ把握を通して事業連携の可能性や課題についての活発な交流がみられた。
南部アフリカ地域を中心に水素燃料供給事業を推進するエア・プロダクツ・サウスアフリカ(Air Products South Africa)は、会場入り口にトヨタ自動車の水素燃料車を展示し、来場者の注目を集めた(注)。同社は、持続可能なグリーン水素モビリティプロジェクトの可能性を強調した。また、本展示を通じて、バス・自動車・船舶など輸送分野における企業との連携構築に意欲を示しており、同分野での技術・製品を有する企業にとっては協業の可能性も期待される。
(注)エア・プロダクツ・サウスアフリカは、水素供給と燃料補給技術をトヨタ自動車の水素燃料車に提供し、水素モビリティの実証プロジェクトで連携をしている。
(木村ローズマリー梨花、トラスト・ムヴントゥガイ)
(アフリカ、ナミビア)
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