モロッコと中国、戦略的対話の創設に向けた覚書に署名、2国間関係の制度的強化へ
(モロッコ、中国)
ラバト発
2025年09月25日
モロッコ外務省の発表によると、ナッセール・ブリタ外務・アフリカ協力・在外モロッコ人相は9月19日、中国の北京で王毅外相と会談し、両国の外務省間に戦略的対話メカニズムを創設する覚書(MOU)に署名した。これは、モロッコ・中国間の外交関係を制度的に強化する新たな枠組みとなる。
今回の合意は、2016年5月11日にモロッコ国王モハメッド6世と中国の習近平国家主席が北京で署名した「戦略的パートナーシップに関する共同声明」に基づいており(2016年7月6日記事参照)、両国間の法的枠組みを強化し、信頼、理解、相互尊重に基づいたハイレベル対話の再構築を目的としている。
併せて、外交機関の間の調整と連携を強化し、共通の関心事項に関する協議や情報交換促進するとされる。また、モロッコと中国の友好関係および戦略的パートナーシップの深化に向けた重要な節目となり、ラバトと北京を結ぶ歴史的な絆をさらに強化するものとしている。
中国とモロッコは、あらゆるレベルでの2国間関係の強化に対する決意を繰り返し表明している。2016年のモハメッド6世国王の訪中(2016年7月6日記事参照)、2024年の習近平国家主席のモロッコ訪問(2024年12月11日記事参照)を経て、両国関係は貿易を超えて政治的・戦略的協調へと拡大している。
中国は、モロッコをアフリカへの玄関口と見なし、引き続き存在感を増している。今回のMOU締結をもって、両国は今後も外交分野にとどまらず、経済、貿易、投資、文化交流など多方面での協力強化に向けた取り組みを加速させる見通しだ。
(鈴木優香)
(モロッコ、中国)
ビジネス短信 dbd9468b084c7654