世界最大規模のゲーム見本市「gamescom2025」、35万人超の来場者でにぎわう
(ドイツ、EU)
デュッセルドルフ発
2025年09月01日
世界最大規模のゲーム見本市「ゲームズコム(gamescom)2025」が8月20~24日、ドイツ西部のケルンで開催された。本見本市は年々規模を拡大しており、今回は72カ国から1,568の事業者、団体などが出展(2024年は64カ国から1,462の出展者)、うち約70%がドイツ国外からの出展だった。来場者数は約35万7,000人に上り(2024年は約33万5,000人)、うち約3万4,000人がビジネス目的での来場だったとされる。大手ゲーム企業が巨大なブースを構えるエリアには任天堂やバンダイナムコなど日本企業も出展しており、数多くの来場者が最新ゲームを試遊しようと長蛇の列をなしていた。また、アニメに関連する商品やコスプレ関連グッズを販売するエリアもあり、若年層の来場者で活況を呈していた。
ジェトロならびに映像産業振興機構(VIPO)は、日本の中小ゲーム事業者への支援の一環として、インディーゲームエリアにジャパンパビリオンを設置した。クオリティーの高い日本のインディーゲームに関心を持つ来場者で連日にぎわい、同パビリオンに出展した日本企業からは「数多くの来場者と反響に手応えを感じている」とのコメントもあった。
ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)
ケルン市の経済振興公社ケルンビジネスのクリストフ・コールハース氏は、「ケルンはゲームズコムの開催地であるだけでなく、デュッセルドルフやボンなど近隣都市との密接な関係を生かして、ゲーム産業の活発なエコシステムを形成している。(ケルンが属する)ノルトライン・ウェストファーレン州や連邦(国)の支援策も活用してケルンでビジネスチャンスをつかんでほしい」と語った。
なお、ゲームズコムの共同主催者でもあるドイツゲーム産業協会(game)の調査発表によれば、ドイツのゲーム市場の規模は2025年上半期時点で45億5,600万ユーロと前年同期比で4%増加しており、2023年まで増加傾向だった市場規模は2024年に減少に転じたが、2025年は回復ムードにあるとしている。2025年のゲームズコムには州、連邦、EUの政府関係者も多く来場し、ゲームの最新トレンドや市場規模、技術的可能性などに対する政界からの関心の高さもうかがえたとした。
次回のゲームズコムは2026年8月26~30日に開催予定。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ、EU)
ビジネス短信 d127422c75d323de