メキシコ経済省、USMCA見直しに向けたパブコメ制度導入
(メキシコ、米国、カナダ)
メキシコ発
2025年09月18日
メキシコ経済省は9月17日、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の運用に関して意見を述べる機会の提供に関する通知」を連邦官報で公示した。USMCA34.7条(注)では、協定の発効から6年後(2026年)に協定参加国で「共同見直し」を行うことを定めており、メキシコ政府は経済省を通じて、USMCA見直しを行うためパブリックコメントの募集を開始した。募集期間は9月17日から60暦日を期限としている。意見の提出方法は次のとおり。
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メールアドレス
(consultas.tmec@economia.gob.mx
)での送信
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ウェブ経由
での送信
- 紙媒体:経済省の貿易担当次官付国際貿易交渉ユニット北米担当局を宛て名とし、経済省に直接印刷物を提出。
経済省が設置したパブリックコメント用のウェブサイトでは、下記の事項に関する情報提供を求めている。
- USMCAがメキシコの製造業に与える影響
- 協定により発生した課題や機会
- 物品・サービスの貿易に関する具体的な課題
- 原産地規則や通関手続きに関する事項
- 労働・環境・中小企業・知的財産・デジタル貿易・投資に関する事項
- その他、USMCAの見直しでメキシコの優位性に資する提言
クラウディア・シェインバウム大統領は9月17日の記者会見で、USMCAの見直でメキシコ政府は労働問題や関税を重要視していることを示唆した。さらに、翌18日にはカナダのマーク・カーニー首相がメキシコを訪れて会合後に共同記者会見を開き、その後、カナダ企業とメキシコ企業も交えた会合を開く予定とした。首脳会談ではUSMCAの見直しのほか、両国間の直接貿易、投資に関する課題、カナダでのメキシコ人の特別査証などについて協議すると説明した。
(注)USMCAは協定発効16年目(2036年7月)に失効する。ただし、協定発効6年目に協定の見直しを実施し、3カ国が延長に合意した場合、16年後(2042年7月)まで延長される。3カ国のいずれかが延長に同意しない場合には、以降、見直しを毎年実施することが規定され、延長を検討することになっている。
(阿部眞弘)
(メキシコ、米国、カナダ)
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