ボルボ、エジプトで欧州市場向け電気バス製造ラインを新規開設
(エジプト、スウェーデン、欧州)
カイロ発
2025年09月19日
ボルボ・バス(Volvo Buses)は9月17日、エジプトのパートナーのMCV(Manufacturing Commercial Vehicles)がボルボ専用のバス新生産ラインを開設したと発表した。この生産ラインはカイロ郊外のMCV工場内に建設し、欧州市場向けの完全電動式の都市バスと、都市間バスの製造に特化したものだ。生産能力を拡大するとともに、新ラインと既存の設計・開発能力を組み合わせることで、顧客のニーズに合わせて車両をカスタマイズする柔軟性を高めるという。
MCVは15年以上にわたり、ボルボに英国などの市場向けバス車体を納入してきた実績を持つ。両社は2023年9月にボルボブランドの電気バスの製造に向けて契約を締結して、2024年から製造を開始し、同年10月にはオランダ・ユトレヒト市の公共交通機関として46台の電気バスを納入するという受注の獲得を発表していた。MCVにはサプライヤーを含め、ボルボ本体と同一の品質要件を適用しており、新生産ラインについてもボルボの高い品質基準と生産要件を満たす設計になっている。
ボルボによると、欧州で都市交通の電動化が進む中、特に低床式電動バスの需要が高まっている。MCVや他の欧州メーカーが持つバス車体製造のノウハウを活用し、同社は中核技術の次世代駆動システムとシャーシ(自動車の基本骨格)に注力する。なお、エジプトとEUは関税に関する協定を締結しており、関税が免除されることから、MCVが生産する車体は価格競争力を保ったまま、欧州への輸出が可能だ。
(塩川裕子)
(エジプト、スウェーデン、欧州)
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