第2四半期のGDP成長率は前年同期比6.3%も、前期比ではマイナスに
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2025年09月26日
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月17日、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比で6.3%、季節調整済み前期比でマイナス0.1%だったと発表した(添付資料図参照)。GDPの先行指標で月次で発表する産業活動指数(EMAE)は、5月と6月に前月比でマイナス成長だったため、第2四半期の季節調整済み前期比のマイナス成長は予測されていた。前年同期比の高い伸びは、落ち込みが大きかった2024年第2四半期の反動とみられる。第1四半期(1~3月)にGDP全体の押し上げ要因となった民間消費と総固定資本形成が第2四半期は前期比でそれぞれマイナス1.1%とマイナス0.5%と落ち込んだ。
GDP成長率を需要項目別にみると、総固定資本形成が前年同期比32.1%増と、前期に続いて大きく伸びた。INDECは、建設投資(同15.2%増)や機械・設備への投資(同36.3%増)、輸送機器への投資(同104.7%増)の好調をその理由に挙げている。
経済活動分野別にみると、金融仲介サービスが前年同期比26.7%増、ホテル・レストランが同17.0%増、建設業が同10.6%増、商業(卸売り・小売り)・修理業が同10.3%増と好調だった(添付資料表参照)。他方、漁業が同マイナス42.2%と大きく減少した。9月17日付現地紙「アンビト」によると、漁業労働組合によるストライキや魚介類関連品目の輸出が大幅に減少したことが原因とされている。
同日付現地紙「ラ・ナシオン」(電子版)は、金融と為替市場の不安定さが増し、米国の金融大手JPモルガンが算出するカントリーリスク指標(エマージェンシー・マーケット・ボンド・インデックス:EMBI)が1,200ポイントを超え、実質金利が高い現在の状況では、第3四半期(7~9月)の経済回復を見込むのは極めて困難とのエコノミストらの見方を伝えている。このような見通しの中でも、2025年全体の経済成長は約4.5%に達するとの見方もある。政府が9月15日付で国会に提出した2026年度国家予算案では、2025年の実質GDP成長率は前年比5.4%、2026年は同5.0%を見込んでいる。
(山木シルビア)
(アルゼンチン)
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