中国、EVの輸出許可管理を2026年1月から実施

(中国)

北京発

2025年09月30日

中国商務部など4部門は9月26日、電気自動車(EV)の輸出に関し、2026年1月1日から輸出許可管理を実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対象となる製品は、「駆動用電動機のみを搭載し車両識別コード(VINコード)を有する乗用車」(参考とする中国のHSコード8703801090)(注1)とされている。発表では、新エネルギー車の貿易の健全な発展を促進するため、対外貿易法の関連規定に基づき、純電動乗用車に対する輸出許可証管理の実施を決定したとしている。

輸出資格を申請する企業の条件、管理方式、申請フロー、輸出許可証の交付などについては、「自動車およびオートバイにおける輸出秩序のよりいっそうの規範化に関する通知」(商産発[2012]318号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の関連規定に従い実施するとしている。また、税関による輸出検査は、現在有効な「検査実施が必須となる輸出入商品目録」に基づき実施するとした。

中国における自動車輸出の許可制は、「自動車輸出秩序の規範化に関する通達」(商産発[2006]629号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより2007年から実施されている。その後、2012年に「自動車およびオートバイにおける輸出秩序のよりいっそうの規範化に関する通知」で、二輪車などオートバイの輸出許可管理規定(注2)を統合した。前述の「自動車およびオートバイにおける輸出秩序のよりいっそうの規範化に関する通知」では、輸出資格を申請する企業の条件として、「車両生産企業および産品公告」に掲載され、有効な国家強制製品認証(CCC認証)を有し、輸出車保有台数に見合った整備・サービス能力を備えていることとしている。

さらに、商務部は9月28日、2026年度の自動車およびオートバイの輸出許可申請手続きに関する通知を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。通知では、自動車生産企業は9月29日から商務部の専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで輸出許可申請書類などの提出、許認可手続き状況の確認、結果確認を行うことができるとしている。また、各地の商務主管部門は、企業からの申請を確認のうえ、10月26日までに商務部へ提出することとなっている。

HSコード87038010〔駆動用電動機のみを搭載し車両識別コード(VINコード)を有するその他の乗用車〕について、ジェトロがグローバル・トレード・アトラスのデータを基に集計したところ、2025年1~8月の中国からの輸出額は222億3,140万ドル、輸出台数は108万台だった。うち、最大の輸出先はベルギーで、32億2,253万ドル、14万1,248台だった。日本向けは3億5,330万ドル、1万3,262台だった。

(注1)2025年1月1日から適用されている2025年版輸出許可証貨物目録外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、中古EV(中国のHSコード8703801010、8703809010)が輸出許可管理の対象となっている。

(注2)オートバイに関しては、「オートバイ輸出秩序の規範化に関する通知」(商機電発[2005]699号)、「オートバイ輸出秩序の規範化に関する補充通知」(商機電発[2006]44号)により輸出許可管理が定められていた。

(亀山達也)

(中国)

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