UAEが万博会場で日本企業に進出・投資を呼びかけ、インフラに強みとPR
(アラブ首長国連邦、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年09月12日
アラブ首長国連邦(UAE)は8月25日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のUAEパビリオンで、「アラブ首長国連邦投資ロードショー2025」を開催した。UAE投資省関係者のほか、関西地方に本社を構える日本企業などが参加し、UAEの投資環境やUAEでの日本企業の成功事例の説明が行われた。
UAEパビリオン内での記念撮影(InvestUAE – UAE Ministry of Investment提供)
UAE投資省のモハンマド・アルハワイ次官は開会あいさつで、UAEの強みはインフラだとし、港湾や空港などを例に挙げた。同次官はエネルギーや情報通信技術(ICT)、人工知能(AI)、ライフサイエンスなどの分野で日本企業とのパートナーシップを求めた。続いて、UAE投資省のモハンマド・アルザローニ氏がUAEの投資環境の説明を行った。アルザローニ氏は、UAEの対内直接投資フロー(流入)は現在約450億ドルに上り、米国や中国とも肩を並べて経済成長も著しいと強調し、包括的経済連携協定(CEPA)の締結国数も現在の10から20まで増やしたいとした。また、サウジアラビアやカタールなど湾岸諸国やアフリカにも近いUAEの地理的な優位性についても言及し、インフラやロジスティクスなどにも強みがあることから、日本企業にUAEへの進出を呼びかけた。
DP(ドバイ・ポーツ)ワールドはジュベル・アリ・フリーゾーン(JAFZA)の概要に加えて、JAFZAでの日本企業の成功事例を紹介した。JAFZAには1985年から日本企業が入居を開始し、現在では100を超える日本企業が入居、JAFZA進出企業数を国別でみると、日本は世界で5番目という。成功事例の紹介では、中東やアフリカ、インドの市場への効率的な進出が可能なJAFZAを流通ハブとしたコマツ中東や、製造拠点としたダイキン中東、倉庫や研究開発施設を構えた島津製作所の例を紹介した。
イベントの最後には、アブダビ投資庁(ADIO)がアブダビ首長国の投資環境について説明した。同庁は特に製造業へのインセンティブとして、電気料金の最大30%、ガス料金の最大35%、土地賃借料の最大80%の支援を例に挙げた。
なお、同イベントの会場となった同国パビリオンでは、サステナビリティーや宇宙、医療・健康などに関する展示が行われている。
UAE側からの参加者(InvestUAE – UAE Ministry of Investment提供)
(加藤皓人)
(アラブ首長国連邦、日本)
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