第2四半期の実質GDP成長率は前期比0.5%、やや減速も、7期連続でプラス成長

(チェコ)

プラハ発

2025年09月03日

チェコ統計局の8月29日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.5%で、前期(1~3月)の0.7%よりやや減少したものの、プラス成長を維持した(添付資料表1参照)。2023年第4四半期(10~12月)以降のプラス成長の連続記録を7期に伸ばした。前年同期比では2.6%だった。

統計局は前期比と前年同期比の成長率に関して、需要項目別で主な牽引力となったのは最終消費支出と在庫変動、一方で、貿易収支がネガティブに影響したと指摘している。

最終消費支出の内訳をみると、政府最終消費支出が前期比1.2%増で、第1四半期(1~3月)の0.3%減からプラスに転じた。家計最終消費支出も1.0%増と好調で、伸び率は前期の0.4%増から拡大した。対外貿易では、輸入が1.5%増と堅調な伸びを示したが、輸出が0.3%増にとどまったため、貿易収支が全体を押し下げる結果となった。

産業部門別では、運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービスが前期比1.7%増加し、プラス成長に寄与した。鉱工業(0.3%増)、建設業(1.9%増)も成長を押し上げた。一方、金融・保険業は第1四半期の1.3%増から4.6%減とマイナスに転じ、成長抑制の要因となった(添付資料表2参照)。

また、財務省は8月21日に発表した夏季マクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2025年の実質GDP成長率予測について、同年4月に発表した春季マクロ経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます時の2.0%から、2.1%に引き上げた。同省は主要な成長要因として、実質賃金の上昇と貯蓄率の低下を背景とした家計最終消費支出の増加加速を挙げている。2026年の実質GDP成長率予測に関しては、2.4%から2.0%に下方修正した。内需拡大を輸入が支える半面、輸出が米国の対EU関税引き上げによって抑制されるため、貿易収支の国内経済に与えるマイナス影響が2025年を上回ると同省は予想している。

(中川圭子)

(チェコ)

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