スプリックス、国際学力検定試験「TOFAS」やICT・プログラミング・AI教育をエジプト全国導入へ

(エジプト、日本)

カイロ発

2025年09月19日

学習塾運営・教育コンテンツ大手のスプリックスは9月5日、エジプト教育・技術教育省との間で、高校生を対象とした情報通信技術(ICT)・人工知能(AI)・プログラミング教育の全国導入に関する包括的契約を締結した。この契約に基づくエジプト全国の高校向けの主な取り組みは次のとおり。

  1. ICTの基礎知識を身に着けるカリキュラムと教科書の共同開発
  2. プログラミング学習のためのオンラインプラットフォーム導入
  3. AIを中心に据えたプログラミング学習の実施
  4. 高校教員を対象とした研修プログラムの実施
  5. 日本式の学習評価と改善サイクルの導入

スプリックスは2022年10月にエジプト教育・技術教育省と最初の基本協定書を締結し、同社が提供する数学の基礎力を測定する国際基礎学力検定試験「TOFAS(Test of Fundamental Academic Skills)」の導入を促進してきた。これまでエジプト国内の約1万4,000校で約100万人の生徒に試験を実施している。8月には同省と覚書(MOU)を締結し、数学やICT・プログラミング分野の教科書とカリキュラムを共同開発するとともに、「TOFAS」をエジプト全国の初等・中等教育段階の生徒に対して定期的に実施することを決めた。今回の契約締結はこれまでの連携を具体的な実務段階に移すものだ。

スプリックス海外事業部長の左右真哉氏は今回のMOU締結について、「今回、エジプト全国の小中高生に対する数学、ICT・AI・プログラミング分野での教育改革に参画できることを大変光栄に思う。エジプト内閣の正式な承認を経て実施するもので、エジプトでも大きなインパクトのあるプロジェクトだと聞いている。われわれが提供する学習コンテンツは、日本式の教育カリキュラムをベースに、数学、プログラミングといった今後のAI時代に必要な基礎学力の育成にフォーカスした内容となっている。WEBベースの学習コンテンツ、アセスメントテスト、日本式のカリキュラムや教科書を活用した教育のKAIZENサイクルをエジプトで回していきたい。今後もスプリックスの企業理念の『教育で人生を新しく』というスローガンを世界中で実現するため、尽力していく」と述べた。

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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