米ニューヨーク市で「ANIME NYC 2025」開催、日系企業は来場者に積極的PR
(米国、日本)
ニューヨーク発
2025年09月05日
アニメの祭典「ANIME NYC 2025」が8月21~24日、米国ニューヨーク(NY)市のジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された。会場内ではマンガやゲーム、アニメグッズ関連の企業や出版社など200社以上が400を超えるブースを出展し、展示や販売を行った。また、特別展示やパネルイベント、アニメ上映のほか、アニメソング歌手や声優、クリエーターをはじめとするゲストが登壇するイベントも行われた。期間中の来場者数は約14万8,000人に上り、前年の10万1,000人より大幅に増加した。
会場の入り口(左)、VTuberによるライブステージ(右)(ともにジェトロ撮影)
今回の開催期間は例年の3日間に加え、夕方からスペシャルイベントや各社展示を先行体験できる半日が追加され、計4日間に延長された。主催者のLEFTFIELD MEDIAによると、消費者向けイベントではありながらも、今後は並行して関連企業間のネットワーキングといったBtoBの機会創出をさらに展開していく予定だという。
企業が出展するエキシビットホールでは、各ブースで来場者への積極的な呼び込みが行われた。マンガ、アニメ、ゲーム、VTuberグッズ、出版物などの物販ブースに加え、来場者へのPRや販路開拓を狙った企業の出展も多くみられた。講談社と紀伊國屋書店の特設ブースでは、1,000ページ超の北米増刊号「ヤングマガジンUSA」を数量限定で無料配布し、掲載された19作品の中から連載化される上位5作品を決める読者投票を呼びかけていた。
講談社と紀伊國屋書店の特設ブース(ジェトロ撮影)
また、英ニューヨークを拠点とする日系出版社では、日本のマンガやライトノベルの英訳版をブースで販売していた。「『ANIME NYC』が始まった当初から参加しているが、コアなマンガファン、ライトなファンのどちらにも、ブースに立ち寄ってもらっている」と同社担当者は語った。別の日系書店の大型ブースでも、マンガやアニメの関連グッズや書籍を求めるファンが長蛇の列をなしていた。
プラスチック板加工メーカーの鈴木プラスチックスも、企業PRを兼ねて出展した。同社担当者によると、「当日(2日目)は午前中だけで30~40人ほどブースに立ち寄ってもらえた。アニメキャラクターや日本風のデザインをあしらったプラ板などのサンプルを展示していたが、特に厚みが特徴的なプラ板は、お気に入りのキャラクターをプリントしてオフィスなどのスペースに飾れると、好評だった」という。
鈴木プラスチックスのブース展示(ジェトロ撮影)
そのほか、コスプレーヤーミーティングやゲストによるサイン会、地下フロアではインディーゲームの展示「PLAY NYC」やアーケードゲーム体験、カードゲーム大会などが実施され、多くのアニメやゲームのファンが一堂に集まってコミュニケーションを楽しんでいた。
2026年の「ANIME NYC 2026」は、8月20~23日に開催される予定だ。
(堀田基、セドリック・チャールズ、部谷亜里香)
(米国、日本)
ビジネス短信 9fea7e5023676d81