デロイトとTech Japan、現地大学でインド高度人材の新卒啓発イベント開催

(インド、日本)

ベンガルール発

2025年09月22日

デロイトトーマツベンチャーサポートとTech Japanは8月25~29日、インド各地で同国高度人材の新卒啓発イベントを実施した。両社は経済産業省が実施する日印人材交流プログラム「インドから日本企業への就職定着事業(India-Japan Talent Bridge事業)」を受託されている。合計3回のツアーでインド各地の主要8大学を訪問する予定だ。今回のツアーは3つの現地大学「Anna University」(タミル・ナドゥ州)、「Indian Institute of Science」(カルナータカ州)、「IIT Gandhinagar」(グジャラート州)で開催した。

このイベントは、日本企業のインド人材市場への理解促進や、インド人材の採用につながるネットワークの構築を目的としている。1回目のイベントには、メンバーズ、第一生命テクノクロス、Beyond Next Ventures、武蔵精密工業、ニデック、Money Forward Indiaの6社が参加した。

参加企業は3大学を訪問し、各地で新卒学生と交流するイベントを実施した。インド側は延べ500人を超える学生が参加し、具体的な採用要件やプロセスに対する質問も多く、日本企業への関心の高さをうかがわせた。参加企業からは、「事前に調べて踏み込んだ質問をしたり、CV(注)を持参したりと、非常に熱心な学生が多かった。高い専門性を持っており、即戦力になりそうな学生も多い。良い意味で期待が裏切られた。採用計画の見直しをしたい」などの感想があった。

日本で8月29日に実施された日本とインドとの首脳会談で発表した「日印人材交流・協力アクションプラン」にも、「インドから日本への5万人の熟練した人材、将来性のある人材を含む、5年間で50万人の相互交流」との記載があり、日本側のインド高度人材への期待と関心は高まっている。9月下旬には2回目、10月下旬に3回目のツアーを実施する予定だ。

写真 IIT Gandhinagarでのイベントの集合写真(デロイトトーマツベンチャーサポート提供)

IIT Gandhinagarでのイベントの集合写真(デロイトトーマツベンチャーサポート提供)

(注)「Curriculum vitae」の略で、主に職歴や学歴、業績、受賞歴などを詳細に記載した文書。学術的な職や専門職に応募する際に用いられる。

(中舘尚人、花村大樹)

(インド、日本)

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