2024年の中国企業の対外直接投資は前年比8.4%増、2年連続増加
(中国)
北京発
2025年09月17日
中国の商務部と国家統計局、国家外貨管理局は9月8日、「2024年中国対外直接投資統計公報」を発表した。
公報によると、中国の2024年の対外直接投資額(フロー)は前年比8.4%増の1,922億ドルで、2023年に続いて2年連続の増加となり、ピーク時の2016年(1,961億5,000万ドル)に次ぐ高水準となった。国連貿易開発会議(UNCTAD)の「2025世界投資報告書」によると、2024年の中国の対外直接投資額(フロー)は米国、日本に次いで世界第3位となった(注)。また、世界全体の対外直接投資額(フロー)に占める割合は11.9%で、前年より0.5ポイント拡大した。
地域別では、対外直接投資額の8割近くがアジア向けで、前年比8.5%増だった。うちASEANへの投資が36.8%増と堅調な伸びとなり、過去最高額を記録した。また、中南米(構成比8.1%)、欧州(同6.5%)向けもそれぞれ15.4%増、25.3%増だった。一方、北米向け(同3.1%)は22.6%減と大幅に減少し、米国向け(同3.5%)は4.1%減だった。対外直接投資先の上位国・地域(フロー)をみると、前年から変化はなくなく、1位が香港、次いでシンガポール、ケイマン諸島、米国、インドネシアの順となっている(添付資料表参照)。
業種別で最も投資額が大きいのは卸・小売業で、前年比3.9%増の404億ドルと、全体の21%を占めた。前年1位だったリース・ビジネスサービス業は29.7%減の381億ドル(構成比19.8%)で、順位を1つ下げた。3位は製造業で37.3%増の375億ドル(同19.5%)、4位は金融業で30.5%増の238億ドル(同12.4%)、5位は鉱業で2.2倍の213億ドル(同11.1%)だった。これらの上位5業種向けの投資が全体の8割強を占めている。そのほか、情報通信・ソフトウエア・情報技術サービス業、建設業がそれぞれ2.1倍、80.5%増と高い伸びを示した。
中国の2024年末時点のストックの対外直接投資額は3兆1,399億ドルで、米国(9兆7,577億ドル)、オランダ(3兆1,827億ドル)に次いで、世界の国・地域で3位だった。中国の対外直接投資額(ストック)を国・地域別にみると、香港が最も多く、1兆9,208億ドルで、全体の6割を上回っている。次いで英領バージン諸島(3,319億ドル、構成比10.6%)、ケイマン諸島(2,149億ドル、同6.8%)、シンガポール(1,026億ドル、同3.3%)、米国(900億ドル、同2.9%)が続いた。
(注)「2024年中国対外直接投資統計公報」では、中国以外の国・地域については国連貿易開発会議(UNCTAD)の「2025世界投資報告書」に基づいて分析を行っている。
(張敏)
(中国)
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