シンガポール・マレーシア間で医療機器相互認証に署名

(シンガポール、マレーシア)

シンガポール発

2025年09月02日

マレーシア医療機器庁(MDA)とシンガポール保健科学庁(HSA)は8月22日、医療機器の規制における協力深化に向けた覚書(MOU)に署名した。同時に、同MOUの一環として医療機器規制相互承認プログラムの6カ月間のパイロット事業を実施することを正式に発表した(HSAのプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。署名式は、カンボジア・シェムリアップで開催された第14回ASEAN医療機器委員会(AMDC)会合において行われた。

2025年9月1日から2026年2月28日まで実施されるパイロット事業では、クラスB・C・D医療機器の登録を効率化する。MDAとHSAは次の成果につながるとしている。

  1. 規制評価・承認の相互信頼醸成による迅速な承認
  2. 審査の重複排除によるコスト削減と市場投入までの期間の短縮
  3. 患者にとって安全で革新的かつ高品質な医療技術へのアクセス早期化

MDAとHSAは、本パイロット事業を通じて、効率的な審査経路の検証、信頼がおけるかたちでの標準的業務手順の確立・改善、短縮された処理期間の検証、および関係者からフィードバック収集などを行い、事業終了後に効率的で拡張可能な規制相互承認プログラムの構築を目指す。また、パイロット事業に参加する医療機器登録証明書保持者は、両国における医療機器登録の審査期間短縮を期待できる。具体的には次のとおり。

  • マレーシア:HSAに登録された医療機器は、MDAの適合性評価機関(CAB)による検証(簡略化された審査)を受けることができる。審査期間は30営業日で、通常の適合性評価ルートにかかる60営業日と比較して30日短縮される。機器はその後、30営業日以内に登録される。
  • シンガポール:MDAに登録された医療機器は、クラスB~Dの全医療機器において最大30%の審査期間短縮の恩恵を受けることができる。

本MOUは、両国が地域経済統合の推進に向け協力する決意を示すもので、本事業終了後、MDAとHSAは共同で成果を評価し、規制の相互承認プログラムの本格実施を検討する。詳細については、各国の規制当局(MDAまたはHSA)に問い合わせることが推奨される。

(島田幸一郎)

(シンガポール、マレーシア)

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