ジェトロ、スリランカ人材の日本企業での活躍事例を紹介するイベントを開催
(スリランカ、日本)
知的資産部高度外国人材課
2025年09月10日
ジェトロは8月26日、スリランカの高度外国人材に関するセミナーをオンライン開催し、同国の人材の特徴や日本企業での活躍事例、現地大学の取り組みなどを紹介した。同セミナーには、採用や共同研究に関心を持つ日本企業などから75人が参加した。
セミナーの冒頭では、ジェトロ・コロンボ事務所の大井裕貴所長が、近年日本でスリランカ出身の就業者や留学生が増加傾向にあり、現地の大学も就業支援に積極的な姿勢を示すなど、日本での就労に対して関心が高まっている現地の状況を紹介した。
次に、健康診断関連プラットフォームを提供するアルトゥーラ・クロス(ALTURA X、本社:大阪市福島区)取締役CPOの山下洋平氏が、「スリランカにあるオフショア開発拠点では、ハングリー精神旺盛なメンバーが、チームワークや礼節を重視して働いている。言語やコミュニケーションの壁もあるが、理解の一致を丁寧に確認しながら業務を進めることが大切だ」と説明した。同社開発チームリーダーのアシット・イシャーンタ氏は、日本の大学卒業後に日本で就業した経験から、日本で働く魅力として、世界に評価される技術力や、長期的に安定したキャリア形成が可能な点を挙げた。
登壇するアルトゥーラ・クロス社の山下氏(下段)とコロンボ大学のカルナラトネ前学長(上段右)(ジェトロ撮影)
研究開発向けシステム構築を手掛けるテガラ(本社:静岡県浜松市)は、日本人の人材採用が難しくなる中で、スリランカ人ITエンジニアのラヒル・ダナンジャヤ氏を採用した。総務経理部長の鈴木平太氏は、ダナンジャヤ氏の高い技術力や日本文化への理解を評価し、今後は外国人社員のリーダーとしての活躍に期待を寄せた。
ラヒル・ダナンジャヤ氏の講演(ジェトロ撮影)
加えて、スリランカでトップクラスの大学であるコロンボ大学のヘッティゲ・ドン・カルナラトネ前学長が、日本企業との連携や共同研究の可能性を指摘するとともに、日本語教育など人材育成の取り組みを紹介した。
セミナー参加者からは、「IT分野のスリランカ高度人材に関するビジネスチャンスを見いだしたい」「スリランカの可能性や人材の魅力を感じるセミナーだった」などとスリランカ人材の採用に前向きな声が寄せられた。
(大井裕貴、吉武果実)
(スリランカ、日本)
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