知的財産権の執行に関する地域カンファレンス、サウジアラビアで開催
(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC)、日本、米国)
ドバイ発
2025年09月30日
サウジアラビア知的財産総局(SAIP)は、9月8日から10日にかけて湾岸協力会議(GCC)特許庁との共催で、サウジアラビアのリヤドにおいて知的財産権の執行に関する地域カンファレンス「Regional IP Enforcement Conference」を開催した〔9月8日付サウジアラビア国営通信社(SPA)〕。開催にあたり、日本の特許庁(JPO)および米国特許商標庁(USPTO)も協力パートナーとして参画した。主催者の発表によると、20カ国以上から300人以上が参加した。
カンファレンスには、中東地域の政府機関、国際機関、ユーザー団体などが会し、知的財産権の適切な保護に資する取り組みやベストプラクティスについて議論が行われた。OECD、世界知的所有権機関(WIPO)、米国税関・国境警備局(CBP)は、知的財産保護の国際的な活動を紹介し、国際連携の重要性を強調した。ユーザー団体は、ブランド保護戦略を紹介しつつ、官民連携の重要性を訴えた。日本からは、JPOが日本における模倣品対策を紹介するのに加えて、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が日本のコンテンツの海賊版対策について紹介した。
最終日には、日本ブランドについて模倣品の効果的な取り締まりを促すため、現地執行機関に対して、真贋(しんがん)判定トレーニングを実施し、日本企業8社が、真正品と模倣品の見分け方について解説した。現地執行機関からはSAIPをはじめザカート・税・関税庁(ZATCA)やサウジアラビア商業省(MOC)など40人以上が参加し、日本企業が提供した実物サンプルや真贋判定ツールを手に取り、真正品と模倣品の見分け方を熱心に学んでいた。
カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)
真贋判定トレーニングの様子(ジェトロ撮影)
(後藤泰輔、木寺綾乃)
(サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC)、日本、米国)
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