東京エレクトロン、インド・ベンガルールに開発拠点を新設
(インド)
ベンガルール発
2025年09月11日
東京エレクトロン(本社:東京都港区)は9月5日、インド南部カルナータカ州ベンガルールに半導体の装置設計およびシミュレーションなど、ソフトウエアの開発拠点の設置を発表した。9月1~3日に首都ニューデリーで開催された「セミコン・インディア」において、同社は中長期的に製造工程の自動化を進めていく中で、インドの開発拠点でのロボティクスや人工知能(AI)、その他アプリケーションでのソフトウエア開発の重要性について現地メディアにコメントした(「エコノミック・タイムズ」紙9月3日)。
さらに、同拠点を中心にインドの大学や学術機関と連携し、次世代半導体(注1)の要素技術の共同研究や、専門性の高い人材の獲得、技術の開発に向けたネットワークの構築を目指す。同社はインド工科大学ボンベイ校と、次世代半導体に関わる研究や研修に関する戦略的パートナーシップの覚書(MOU)を結んでおり、アカデミア(注2)との協力を加速させる見込みだ。
開所式の様子(東京エレクトロン提供)
同社は2024年9月に、インド大手財閥タタ・グループ傘下のタタ・エレクトロニクスとのMOUを締結した。グジャラート州ドレラで建設予定の半導体製造工場と、同グループ傘下のタタ・セミコンダクター・アセンブリー・アンド・テスト(TSAT)のアッサム州ジャギロードの組み立ておよびテスト工場の建設に向けて協力する。東京エレクトロンは、製品に関するテクニカルトレーニングや研究開発の支援を行う(2024年9月12日記事参照)。
半導体領域における、グローバル・ケーパビリティー・センター(GCC、注3)はセンター数の42%、従事者数の61%がベンガルールに集積しており、最大のエコシステムを形成している。日系企業では、ルネサスエレクトロニクスがベンガルールに従事者数500人規模のインドで最大級の研究開発拠点を設置している。近年は、ベンガルールにある欧米の半導体関連企業の研究開発拠点に、部品を納入する日系企業による投資の機運も高まっている。
(注1)現状の半導体よりも高い性能を持つ、2ナノ世代以降の微細な半導体や炭化ケイ素や窒化ガリウムなどの新しい素材を用いた半導体を指す。
(注2)大学や公的研究機関などの学術界、またはそこで働く研究者を指す。
(注3)グローバル・ケーパビリティー・センターとは、企業のITサービス、エンジニアリング、研究開発などの機能を担うグローバルな拠点を指す。
(大野真奈)
(インド)
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