大阪・関西万博を契機にアンゴラミッション団が来日、大阪で投資フォーラムを開催
(日本、アンゴラ)
大阪本部海外ビジネス推進課
2025年09月30日
2025年大阪・関西万博アンゴラパビリオンとアンゴラ民間投資・輸出促進庁(AIPEX)は9月26日、同国ミッション団の来日に合わせて、大阪で投資フォーラムを開催した。
アンゴラは、アフリカ南西部に位置する人口約3,800万人の国だ。主要産業は鉱業で、石油、ダイヤモンド、鉄鉱石などが産出される。AIPEXによると、政府が掲げる目標には次の点などが含まれている。
a.石油・天然ガス依存からの脱却に向けた産業多角化
b.輸送、エネルギー、通信、水道インフラの近代化
c.中小企業育成と人材開発
d.地域統合と輸出促進
e.投資環境の改善
アルリンド・ダス・シャガス・ランゲルAIPEX長官はこれらの目標の達成に向け、日本には技術者養成や技術移転、産業振興、技術革新の推進を求めているとし、また、南部アフリカ内陸部の振興と国際貿易における重要な軸となりうるロビト回廊(注)の開発においても、日本が有するノウハウを提供してほしい、と語った。
フォーラムの様子(ジェトロ撮影)
豊田通商アフリカ本部アフリカ電力インフラ部マネージャーの久門怜央氏は、同社のアフリカ事業とアンゴラでの取り組みについて説明した。同社はアフリカ全54カ国で事業展開を行っており、現在、アフリカ全体で174の事業体を運営し、約2万3,000人を雇用している。アンゴラには1983年に事務所を開設し、1991年に現地法人を設立した。自動車・部品の販売や修理サービスを提供しているほか、医薬品販売を行っている。人材開発にも取り組んでおり、2020年に自動車整備士指導者育成施設「トヨタアンゴラアカデミー」を開設した。近年、同社が注力しているアンゴラ南部にあるナミベ湾の港湾開発プロジェクトでは、鉄鉱石輸出ターミナルの改修やコンテナターミナルの拡張工事を実施している(2025年10月完工予定)。このプロジェクトは、人口増加が著しいが、開発が遅れているアンゴラ南部において、同国が鉄鉱石を輸出して外貨を稼ぎ、コンテナの輸出入を通じて地域経済を活性化できるよう推進しているものだと述べた。
登壇者によるフォトセッション(ジェトロ撮影)
質疑応答では、アンゴラにおける自動車生産の可能性や、農産品の輸出強化、同国のガスエネルギー需要に関して質問が出され、活発な情報交換が行われた。
(注)大西洋に面したアンゴラのロビト港から、鉱物資源が豊富なコンゴ民主共和国や内陸国のザンビアにつながる回廊。
(齋藤寛)
(日本、アンゴラ)
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