プノンペンで就職フェア開催、3,467人の学生らが参加、日系企業も採用に意欲
(カンボジア、日本)
プノンペン発
2025年09月08日
カンボジア日本人材開発センター(CJCC)は8月22日と23日の2日間、王立プノンペン大学構内で、「就職フェア2025」を開催した。日系企業16社、カンボジア企業24社、国際機関・公的機関5団体の計45社・機関が出展し、延べ3,467人の学生らが来場した。会場では企業ブースのほか、採用プロセスや日系企業の特長、強みを説明するセミナーも実施された。同イベントでは履歴書の提出や面接も可能で、企業と求職者が直接交流できる機会として注目を集めた。今回は開催期間を例年の1日から2日間に拡大された。
会場では企業担当者に日本語であいさつする学生の姿も見られるなど、日系企業から求職者の語学力の高さを評価する声も上がった。出展した日系企業の担当者は「カンボジア人材の高い意欲や関心を踏まえ、即戦力としての採用だけでなく、長期的な視点で育成していくことが重要だ。3カ月から1年程度のインターンシップによって企業とのミスマッチを防ぎ、業務適応力やチームワーク力を見極め、長期的に活躍してもらえる人材を探していきたい」と話した。また、カンボジアで小売店を運営する日系企業の担当者からは「採用後は店舗ではなく、オフィスでの勤務を想定している。事業拡大などを見据え、経営戦略を担う人材を求めており、他社との人材獲得競争も意識して、当社で働くメリットを積極的にアピールしている」との声も聞かれた。
カンボジアは人口約1,728万人(2024年時点)のうち、18歳以上30歳以下が約22%を占めており、若い人材が豊富なのが強みだ。義務教育は日本と同様に初等教育6年間と前期中等教育3年間の計9年間だ。また、大学進学経験のあるカンボジア人は2024年時点で約52万人と、依然として多くはないものの、2019年の約32万人から大幅に増加した。近年では年間約4万人が大学に入学しており、今後もカンボジアの経済成長に伴って進学者数の増加が続くと見込まれる。こうした背景の下、優秀なカンボジア人材の獲得競争は一層拡大しつつある。
就職フェアの企業ブース(CJCC提供)
(宮嶋紀輝)
(カンボジア、日本)
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