朝日インテック、南寧市で新工場プロジェクト始動式典を開催

(中国)

広州発

2025年09月25日

医療機器大手の朝日インテック(本社:愛知県瀬戸市)は916日、中国の広西チワン族自治区南寧市西郷塘区の中関村電子信息産業園において、同社初の中国工場となる朝日英達医療器械(南寧)のプロジェクト始動式典を開催した。式典は、加藤忠和総経理(上席執行役員)をはじめ、南寧市幹部や在広州日本総領事館の貴島善子総領事らも出席して執り行われた。南寧市幹部からは、新工場設立を歓迎するとともに、今後の工場内装工事や製造製品の許認可取得申請などにおいて全面的に支援する旨のあいさつがあった。

同社によれば、新工場では医療用カテーテル・ガイドワイヤーの製造を予定しており、製造のみならず中国市場向けの製品開発も行う。また、同社ベトナム・ハノイ工場からの部品の陸送や人員の往来、南寧市の人件費や電力料金などのコストを総合的に考慮し、ベトナムに隣接する広西チワン族自治区の南寧市への工場設立を決めたとのこと。

現在、同社が中国で販売しているカテーテルは、ハノイ工場やタイ工場などからの輸入品だ。中国では政府調達に関する製品について、中国産とみなされる基準および同基準を満たした製品を優遇する措置の導入が検討されており(2024年12月13日記事参照)、同社はこうした政策動向への対応も考慮に入れている。

新工場は中関村電子信息産業園の標準工場(注)を活用し、今後、1階と2階部分の内装工事を実施して将来的には3階と4階部分など、さらなる拡張を目指す。工事終了後、各種製造設備を導入し、製造体制を整えつつ製品の許認可申請を行う。2030年を目途に製造開始を予定している。製品は同社の販売子会社である朝日英達科貿(北京)を通じて、中国内で販売される予定である。

写真 朝日インテック南寧工場起工式(同社提供)

朝日インテック南寧工場起工式(同社提供)

写真 朝日インテック南寧工場の外観(ジェトロ撮影)

朝日インテック南寧工場の外観(ジェトロ撮影)

写真 同社が入居する中関村電子信息産業園第三期プロジェクトの説明看板(ジェトロ撮影)

同社が入居する中関村電子信息産業園第三期プロジェクトの説明看板(ジェトロ撮影)

(注)中国で進出企業向けなどに提供されるレンタル工場を指す。規定区域内で統一的に計画され、汎用(はんよう)性を有する付帯設備などが備えられている。

(岡田英治、汪涵芷)

(中国)

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