中国、自動車産業の安定的成長に関する方案を発表、AI技術と健全な競争秩序を強調

(中国)

成都発

2025年09月25日

中国工業情報化部、公安部、財政部、交通運輸部など8部門は9月12日、「自動車産業の安定的成長に関する作業方案(2025-2026年)」を発表した。

同方案では、中国の自動車産業を「新たな科学技術革命と産業革命の重要な担い手」「国家経済の重要な柱」と位置づけ、2025年の年間自動車販売台数を約3,230万台(前年比約3%増)、そのうち新エネルギー車の販売台数を約1,550万台(約20%増)との目標値を掲げた。一方で、現在の自動車産業は有効需要の不足、無秩序な競争、サプライチェーンの不確実性などの困難と試練に直面し、安定的な成長が依然として容易ではないとの認識を示した。

同方案では(1)国内消費の着実な拡大、(2)質の高い製品の供給促進、(3)自動車産業に対応したインフラ設備や政策・制度の整備、(4)国際化、対外開放レベルの向上、の4つの項目で具体的な取り組みが示されている。2023年に発表された同方案と比較すると(2023年9月8日記事参照)、自動車産業のデジタル化・スマート化を加速すること、自動車産業における健全な競争秩序を維持することなどが新たに盛り込まれた。自動車産業における人工知能(AI)技術と研究開発、生産製造、運営管理などの融合を示したほか、スマート工場の建設やデジタル・サプライチェーンの構築も強調した。また、自動車産業における健全な競争秩序の維持については、「主要自動車企業による支払期日順守に関する申し立て窓口」(2025年7月18日記事参照)の活用を通じて、関連する問題の解決に向けた調整を行うとともに、業界団体に対して完成車メーカーのサプライヤーへの支払い規範を策定するよう指導するとした。さらに、海外市場の重要性も強調しており、自動車企業に対して外資系企業との連携強化や海外市場に適した製品開発やサプライチェーンの構築などが明記された。

(王植一)

(中国)

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