セネガル政府、DPワールドと港湾開発事業のパートナーシップ強化で合意
(セネガル、アラブ首長国連邦)
アビジャン発
2025年09月25日
セネガル政府は9月11日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにおいて、UAEの世界的な港湾運営企業DPワールドと、ダカール港およびンダヤン港開発にかかる既存のパートナーシップ強化を目的とした改正協定に署名した。両者は2007年にダカール港の開発および運営にかかるコンセッション契約を、また2020年12月にンダヤン港開発に関する合意文書を締結している。今回の署名には、2025年9月8~12日にUAEを公式訪問していたセネガルのウスマン・ソンコ首相も立ち会った。
ンダヤン港はダカール港の約50キロメートル南に位置し、ブレーズ・ジャーニュ国際空港に近い深水港としてコンテナ取扱量が増加しており、拡張が制限されるダカール港に代わり、同国の長期的な貿易と経済成長を支える戦略的な港と位置付けられている。ンダヤン港の開発事業では、DPワールドとダカール港湾公社(PAD)の現地合弁会社であるDPワールド・ダカールが、300ヘクタールのコンテナターミナルの開発・運営に加え、600ヘクタールの陸上・海上インフラの資金調達、設計・開発も行う予定だ。第1フェーズでは、世界最大級のコンテナ船にも対応可能な840メートルの岸壁と全長5キロメートルの水路を備えた新コンテナターミナルを建設し、第2フェーズでは、全長410メートルのコンテナ岸壁を増設し、全長400メートルの船舶に対応可能となる。投資額は、第1フェーズが8億3,700万ドル、第2フェーズが2億9,000万ドルとなり、DPワールドがアフリカ大陸で実施する最大の開発事業で、セネガルにとっても単一の民間投資事業としては最大だ。
同開発事業でDPワールドに協力する英国政府系開発金融機関ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント(BII)は、ンダヤン港の開発により、2035年までに貿易額が150億ドル増加し、同国のGDPを3%押し上げる可能性があるとし、建設期間中は1,800人以上の雇用が創出され、稼働開始後はセネガル全土で230万人の雇用を支えると推定している。
現地報道によると、PADのワリー・ディウフ・ボディアン局長は、今回の合意により2028年の開港に向け、事業実施が加速する見込みであると述べた(9月11日付セネ・ニュース)。
(長屋幸一郎、橘欣子)
(セネガル、アラブ首長国連邦)
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