「2025年シルバーテクノロジーパートナー計画」実践プロジェクト発表、上海市は介護産業を振興
(中国)
上海発
2025年09月08日
中国IT大手の騰訊(テンセント)は8月25日、「2025年シルバーテクノロジーパートナー計画」の実践プロジェクトを発表した。同計画は、2025年6月の上海市の高齢者テクノロジー産業パークの開園式で、上海市の科学技術委員会、民政局、閔行区政府とテンセント上海が共同で発表したものだ。高齢者の安全確保や健康管理、在宅介護、感情サポートという4つのコアニーズに焦点を当てて、全国から革新性と実用性を兼ね備えた技術ソリューションを募集していた。
選定した15の実践プロジェクトの開発製品には、電動車椅子としても利用できる介護ロボットや、ミリ波レーダーを搭載して、1人暮らし高齢者の転倒などの異常行動を検知して警報を発する照明器具などが含まれている。
今後、実践プロジェクトを活用し、上海市内にスマート高齢者ケアの試験基地を建設する予定だ。テンセントの当該計画責任者の王楠氏は、今後3年間にわたってテンセントが1億元(約21億円、1元=約21円)を出資し、上海で「シルバーテクノロジーパートナー計画」大会の開催を支援すると発表した。スマートモニタリング、異常の早期予測、人工知能(AI)による感情サポートなど7分野に焦点を当て、革新的な製品の開発を促進する。加えて、企業と高齢者介護施設のマッチングイベントを開催する。各プロジェクトに対して、10以上の高齢者介護施設を紹介し、連携により実用化に向けた実証実験の実施を奨励する。
中国国家統計局の発表によると、2024年末時点で中国の60歳以上の人口は3億1,000万人を超え、全人口の22%を占めた。また、65歳以上の人口は2億2,000万人を超え、全人口15.6%を占めた。上海市は2024年7月に「上海市の養老技術の革新と発展促進のための行動計画(2024-2027年)」を発表している。同計画では、2027年までに介護技術の革新と産業発展の拠点の整備から始めることで、「どこでも受けられる介護サービスシステム」を構築するための技術サポートを提供することを示した。このような政府の後押しもあり、上海市近郊での介護関連産業の発展がさらに加速しそうだ
(趙姝萍)
(中国)
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