中国一汽とVW、成都で「ジェッタ」ブランドの新会社設立

(中国、ドイツ)

成都発

2025年09月09日

中国国有の自動車製造大手の中国第一汽車集団は(中国一汽)8月29日、成都市でドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の中国法人〔VWグループ(中国)〕、成都経済技術開発区と、「ジェッタ(Jetta)事業発展協力協議」を前日の28日に締結したと発表した。具体的には、成都市にVWが展開するブランド「ジェッタ」の新会社を共同で設立し、ジェッタの電動化を加速させ、同地のスマート電動モビリティー市場への同社参入と、過去最大規模で新エネルギー車(NEV)製品の投入攻勢をかける方針だ。

中国一汽によると、2028年までにジェッタブランドとして計5車種の新モデルを発表する予定で、そのうち4車種はNEVとなる予定だ。第1弾となるモデルは2026年発売を目指しているという。また、市場競争力強化に向けて、新車種では開発プラットフォーム技術の現地化を強化し、先進的な運転支援システム(ADAS)を搭載するとした。

VWグループ(中国)董事長兼最高経営責任者(CEO)のラルフ・ブランドシュテッター氏は8月28日、「In China, for China(中国で、中国のために)」戦略を強調し、「中国では低価格帯のNEV市場が拡大し続けている。そのような状況下で、当社はジェッタの電動化を通じて、中国のNEV市場でシェアを高め、多様な顧客ニーズへの対応を目指す」と述べ、同市場で低・中価格帯の車種の開発や生産を強化する姿勢を示している。

VWは2030年までに中国国内NEV販売台数に占める低・中価格帯の車種の割合が約50%に達すると予測しており、その中でも価格が10万元(約210万円、1元=約21円)前後のモデルが今後の市場成長を牽引する上で重要と見込んでいる。このため、同社は今後、中国市場で顧客ニーズに合わせ、低・中価格帯のさまざまなモデル・車種を製造する計画という。

写真 第28回成都国際モーターショーで展示されたジェッタの旧モデル(ジェトロ撮影)

第28回成都国際モーターショーで展示されたジェッタの旧モデル(ジェトロ撮影)

(王植一)

(中国、ドイツ)

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