大阪・関西万博を機にモルドバ、ルーマニア企業ミッション団が訪日、大阪でセミナー・商談会開催

(日本、モルドバ、ルーマニア)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年09月09日

ジェトロは829日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を契機としたモルドバとルーマニアの企業ミッション団訪日の機会を捉え、大阪で両国に関するセミナーと商談会を開催した。

セミナーではまず、モルドバ商工会議所のミハイ・ビルバ副会頭が同国の経済概況とビジネス環境に関してプレゼンテーションを行った。同国は人口240万人だが、EU、欧州自由貿易連合(EFTA)、英国、トルコ、CISなどと自由貿易協定(FTA)を締結しており、87,000万人の市場へのアクセスが可能だ。主要な貿易相手国・地域はEUで、2024年は輸出総額の3分の2、輸入額の半分を占めた。EU加盟を目指し、20246月に交渉を開始した。

日本との貿易については、2024年の対日輸出額は460万ドルで、主な品目は腕時計、輸送用機器、ワインなど、同年の対日輸入額は1860万ドルで、主な品目は自動車、医療機器、農機・建機が挙げられる。対日輸出拡大に向け、モルドバワインのプロモーションを行うべく、2024年に一般社団法人のWine of Moldova Japanが東京で設立された。

同国に進出する日系企業数は14社だ。さらなる誘致のために9月には現地で、同国最大の経済フォーラム「モルドバ・ビジネス・ウイーク」を開催するのでぜひ参加してほしいと、ビルバ副会頭は呼びかけた。

写真 ビルバ副会頭のスピーチ(ジェトロ撮影)

ビルバ副会頭のスピーチ(ジェトロ撮影)

ルーマニアとモルドバの企業の海外展開を支援するアルヒペラゴの経営コンサルタント・プロジェクトマネジャーのアナスタシア・ゾトビチ氏はルーマニアのビジネス環境について説明した。同氏はルーマニアの魅力として、a.人件費や物価が安価、b.大学が多く優秀な若年人材が豊富、c.公租公課が安価な点などを挙げた。

人件費については、月額最低賃金が814ユーロで、欧州の中では低水準にあり、食料品やレストランなどの値段はベルリンやロンドンなどの主要都市に比べ安価だという。人材面では、ルーマニアの高校生の97%は2カ国語以上を勉強することから、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語などの外国語でのコミュニケーションスキルが高い。公租公課は、法人税が16%、個人所得税が10%で、投資家にとって魅力的な税率だと述べた。

企業紹介セッションでは、モルドバ企業9社とルーマニア企業1社(乳製品・チーズ製造、衣料品製造、アグリビジネス、会計・税務コンサルティング、電気通信業、ガラス・同製品製造、建設資材卸売り、LED照明に特化した電気・電子機器製造、繊維・衣料品製造、Eコマース)が登壇した(添付資料表参照)。自社製品・サービスを売り込むだけでなく、日本企業からの製品・サービス調達や技術提携に関する要望が数多く出された。

写真 企業紹介のセッション(ジェトロ撮影)

企業紹介のセッション(ジェトロ撮影)

セミナー終了後の商談会では、参加した約20の日本企業・団体との活発なやり取りが行われた。

写真 活発だった商談会(ジェトロ撮影)

活発だった商談会(ジェトロ撮影)

(齋藤寛)

(日本、モルドバ、ルーマニア)

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