西アフリカ市場への入り口を強調、ベナンが大阪・関西万博に合わせビジネスフォーラムを開催

(ベナン)

調査部調査企画課

2025年09月05日

ベナン投資輸出促進機構(APIEx)は8月28日、大阪・関西万博のナショナルデー(8月29日)に合わせ、在日ベナン大使館と大阪商工会議所との共催で「ベナンビジネスフォーラム2025」を東大阪市で開催した。APIExのシンデ・チェケテ代表は、ベナンでは原料輸出中心から加工品輸出中心の経済に移行することを目指しており、付加価値のある製品の製造と輸出のために、日本企業の投資を呼びかけた。

ベナンは西アフリカに位置する、人口1,371万(2023年、IMF)の国だ。通貨はCFAフランを採用している。IMFによると、2024年のインフレ率は1.2%、実質GDP成長率は6.5%で、2025~2026年もサブサハラ地域全体を上回る6%台の高い成長が見込まれている。シンデ氏は、日本からの投資を期待する産業として、農業、医薬品、輸送機器、製造業、物流、再生可能エネルギー、デジタル、観光といった分野を挙げた。加えて、世界銀行が政治経済政策・制度の質を評価する、2024年の国別政策・制度評価(CPIA)において、ベナンが西アフリカで1位だったことなどを紹介し、政治や投資環境が良好とアピールした。

写真 スピーチする投資輸出促進機構(APIEx)のシンデ・チェケテ代表(ジェトロ撮影)

スピーチする投資輸出促進機構(APIEx)のシンデ・チェケテ代表(ジェトロ撮影)

駐日臨時代理大使のマウトン・マチュー・フンカンリン氏は、現在ベナンではインフラや投資環境が改善されつつあり、特に経済特区に注目してほしいと語った。

2023年1月3日に可決されたベナンの経済特区に関する法令(法令番号2022-38)によると、同国の経済特区では投資段階において大半の輸入関税や税金が免除される。また、事業運営開始後12~17年まで、法人税の免除に加えて、所得税の事業主負担分が免除もしくは50%減免される。そのほかにも、財や資金、資産の移転が自由に行えるといったインセンティブなどが存在する。

ベナンの経済特区の1つである、アフリカロジスティクスゾーン(ALZ)のピエール・ゲルケンズ代表は、同地に拠点を置くメリットとして、コトヌー港に隣接しており製品をスムーズに輸出入できることを挙げた。また、同地の電力は再生可能エネルギーを利用しているため、カーボンフットプリント(注)を削減できるとも語った。

APIExのマーク・アイサック投資促進局局長は、政治・経済の安定と投資・規制の透明性はベナンの強みであり、4億人を抱える西アフリカ市場へ進出を検討する日本企業にとってのゲートウェーとなると強調した。

(注)カーボンフットプリントは、製品の製造から廃棄・リサイクルまでの過程全体の二酸化炭素(CO2)排出量のこと。

(中田智士)

(ベナン)

ビジネス短信 6d11860741a406ab