フィリピン大統領がインド訪問、モディ首相と会談、戦略的パートナーシップ立ち上げ

(インド、フィリピン)

ニューデリー発

2025年09月18日

フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は8月4~8日にインドを訪問し、ナレンドラ・モディ首相と首脳会談を行った。会談後、両国間で戦略的パートナーシップを立ち上げることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

パートナーシップには、政治協力や防衛・安全保障、経済・貿易・投資協力のほか、地域と多国間での国際協力など、複数の分野を盛り込んだ。人的交流については、フィリピン側ではインド国民への観光ビザ免除、インド側ではフィリピン国民に対する電子観光ビザの延長などを含めた。

共同記者会見でモディ首相は「フィリピンは、わが国のアクトイースト政策(注1)とマハサーガル・ビジョン(注2)で重要なパートナーだ。インド太平洋地域の平和、安全、繁栄、ルールに基づく秩序の実現に尽力する」と述べ、フィリピンの重要性を強調した。

インドの2024年度(2024年4月~2025年3月)の対フィリピン貿易額は、インドからの輸出は21億6,230万ドル、フィリピンからの輸入は11億8,080万ドルで、ともにASEAN内で6位だった。直接投資については、フィリピンからインドへの対内投資額は5,622万ドル、インドからフィリピンへの対外投資額は2億6,193万ドルとなり、ASEAN内ではそれぞれ2位と3位だった。

(注1)インド北東部を優先地域と位置付け、貿易や文化交流などを通じて北東部と周辺国の接続性の強化を目指す政策。

(注2)インド洋地域に焦点を当てた従来の戦略から、グローバルサウスに重点を置いたグローバルな海洋ビジョン。

(佐藤利昭、サンディープ・シン)

(インド、フィリピン)

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