CODELCOとアングロ・アメリカン・スールが銅鉱山の一体操業で合意、世界5位以内の規模に
(チリ)
調査部米州課
2025年09月19日
チリ国営銅公社(CODELCO)とアングロ・アメリカン・スールは9月16日、それぞれが保有し隣接し合うアンディナ銅鉱山とロスブロンセス銅鉱山を一体操業することを発表した。必要な許可が取得されれば、2030年からの一体操業となる。
同2鉱山の一体操業により、年間で12万トンの追加生産が見込まれている。また操業コストも、各鉱山単体で操業を続けた場合と比較して15%低減させることができるという予測がされている。チリ銅委員会(COCHILCO)によると、同2鉱山を合わせた2024年の銅生産量は35万4,000トンで、世界では10番目の規模だったが、一体操業による追加生産量を踏まえると、上位5位以内に入る規模となる。また、潜在的な事業価値は50億ドル以上に向上するものと見込まれている。
CODELCOのマキシモ・パチェコ総裁は、今回の合意により「大規模な投資をすることなく、はるかに高い収益を得ながら、アンディナ銅鉱山とロスブロンセス銅鉱山の潜在能力を最大限引き出すことができる。また、持続可能な採掘に向けたこの取り組みにより、銅生産が停滞している世界において、エネルギー転換に必要な重要鉱物の需要に応えることができるだろう」と述べている。
今回の合意はチリ政府としても歓迎の意を示しており、ガブリエル・ボリッチ大統領は「このわが国にとって重要な合意は、CODELCOとアングロ・アメリカン間の10年以上にわたる交渉を締めくくるものであり、チリを世界の銅生産のリーダーとして位置付ける官民連携のモデルを確固たるものとするものである」とX(旧Twitter)に投稿した。
なお、アングロ・アメリカン・スールには三菱商事と三井物産もそれぞれ出資している。
(佐藤輝美)
(チリ)
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