ルーマニア政府、自動車業界2社と総額58億円の資金提供契約

(ルーマニア)

ブカレスト発

2025年09月05日

ルーマニアのアレクサンドル・ナザレ財務相は8月25日、ドイツの自動車部品大手ドラクスルマイヤーグループのルーマニア子会社DRMドラクスルマイヤーとルノー傘下の地場自動車メーカーのダチアに対し、総額1億7,120万レイ(約58億2,100万円、レイは通貨単位レウの複数形、1レウ=約34円)の資金提供契約を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。これらは、政府決定第300/2024号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づく地域開発促進のための国家補助金制度の一環として実施される。

DRMドラクスルマイヤーは、総額2億9,720万レイを投じ、ルーマニア北西部のサトゥ・マーレ工場における電気自動車(EV)用ワイヤーハーネスの生産能力拡大を計画している。このうち1億3,370万レイが国家補助金として支給される。2030年までに400人以上の雇用創出が見込まれ、地域および国家への税収貢献は2億1,100万レイと試算されている。

ダチアは、車両塗装工程の近代化プロジェクトに総額8,500万レイの投資し、3,750万レイの国家補助金を受ける計画だ。税収面での地域貢献は推定1,870万レイと見込まれる。

国家補助金制度は、ルーマニアで初期投資を行う製造業を支援するもので、5,000万レイから5億レイまでの投資を支援対象としている。投資は開始後3年以内に完了し、新規の有形・無形資産を使用することが条件となる。補助金の総予算は22億5,000万レイで、2026年末までに資金提供契約を締結し、支払いは2025年から2032年にかけて行われる。これまでに10件の契約が締結され、総投資額は25億9,000万レイ、承認済み国家補助金額は11億4,600万レイにのぼる。

政府は、これらの資金によりルーマニア経済を支援し、競争力強化と長期的な雇用創出を促進する方針だ。

(本吉美友)

(ルーマニア)

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