AIサロン、オーストラリアのシドニーでも本格始動
(オーストラリア)
シドニー発
2025年09月03日
人工知能(AI)分野を中心とするスタートアップの創業者や投資家、企業パートナーによるグローバルコミュニティー「AIサロン」がシドニーで始動し、第1回イベントが8月26日に開催された。AIサロンは、米国カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)の「ブリッツスケーリング・ベンチャー」の創業者の構想でスタートし、世界各国のグループ(チャプター)で40以上のイベントが実施されてきた。オセアニアでは初めての開催となり、AIやオートメーションでの事業効率向上を目指すAdamiz創業者のバネッサ・サントス氏、ジェトロ、サイバーセキュリティー対策やデジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューションを提供するCUBIC INNOV8が共催した。
第1回イベントではピッチセッションが行われ、(1)AIを用いた効率的なデジタルマーケティングを手掛けるArbos Digitalの創業者パトリシア・タナベ氏、(2)AIによる自律的なサイバー攻撃の検知・対応を可能にするセキュリティープラットフォームを開発するSimbianのディレクター(アジアパシフィック・日本セールス担当)のフランク・ユー氏、(3)メンタルヘルスケアを目的としたAIコンパニオンを開発するLaura AIの創業者コービー・ポール氏の3人が登壇した。コービー氏が発表すると、その後はメンタルヘルスケアへのAI活用に関する質問が活発に投げかけられた。
主催者のバネッサ氏は「シドニーを中心とする地域との関わりと、AIサロンの国際ネットワークの両方を通じて、スピーカーやスタートアップにスポットライトが当てられることを楽しみにしている。地域の関心を反映し、コミュニティーが活気づく場となるチャプターを築きたい」と語った。ゲストからの好意的なフィードバックの中には、今後のイベントで積極的に登壇を希望する声も多く寄せられた。
AIサロンは今後も定期的に開催される予定だ。南半球でのAI活用型起業家ネットワークのさらなる広がりが期待できる。
Adamiz創業者のバネッサ氏(Adamiz提供)
活発に質問・意見が飛び交ったQAセッション(Adamiz提供)
(レベッカ・レン、伊東佐和子、渡邊敬太)
(オーストラリア)
ビジネス短信 5d1782c32917a952