プノンペン国際空港が移転、テチョ国際空港が9月9日開業
(カンボジア)
プノンペン発
2025年09月11日
カンボジアの首都プノンペンの玄関口として長年利用されたプノンペン国際空港(PNH)は、9月8日に運用を終了し、翌9日からは市中心部の南部約25キロに位置するテチョ国際空港(KTI)が、新たに開業した。
KTIには、カンボジアでは初めて自動チェックイン機やスマートゲート(注1)が導入された。チェックインカウンターはPNHの42からKTIでは100以上へと増設され、利用客の待機時間の短縮と空港の処理能力向上が期待される。また、日本を含む20カ国・地域(注2)のパスポート所持者はスマートゲートを利用でき、従来の有人カウンターよりもスムーズに出入国審査を通過できるようになった。
自動チェックイン機およびチェックインカウンターの様子(ジェトロ撮影)
また、空港規模も4Eクラスから4Fクラス(注3)に拡大し、A380などの超大型機も発着可能となったほか、搭乗ゲート数も10から32へ増加した。開港当初は滑走路1本のみで運用されるが、今後は2本を追加で建設し、計3本体制を目指している。
KTIの開港にあわせて、空港アクセス急行バスの運行も開始した。KTIを出発後、4カ所(注4)の停留所を経由して、カンボジア日本友好橋近くのキャノン・ライフル・ラウンドアバウト・パークまで運航する路線となる。運行時間は毎日、午前5時30分から午後11時30分までだが、運行間隔は発表されていない。そのほか、Grabなどの配車アプリやレンタカー(注5)の利用も可能だ。
さらに、カンボジアの国営航空会社エア・カンボジアは、KTIから中国・福建省の福州国際空港を経由して成田国際空港を結ぶ新路線を2025年10月に就航予定と発表している。これにより、プノンペンと成田間の移動時間が約8時間に短縮され、日本、カンボジア、中国の経済連携と観光交流の活性化が期待されている(添付資料表参照)。
(注1)スマートゲート(自動化ゲート)とは、出入国する際、パスポートおよびビザを確認するゲートのこと。
(注2)カンボジア、日本、韓国、中国(マカオ、香港を含む)、米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、英国、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ラオス、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ブルネイ、タイ。これらの国・地域以外のパスポート保有者は、有人カウンターで出入国審査が必要となる。
(注3)ICAO(国際民間航空機関)による空港設計コードに基づくもの。「滑走路の長さ」に基づきコード番号(1~4の4段階で4がもっとも長い)と、「航空機の翼幅」に基づきコード文字(A~Fの6段階でFが最も広い)を設定している。
(注4)テチョ国際空港を出発後、イオンモール・ミエンチェイ店、BRED銀行(サムデック・テチョ・フン・セン通り)、王立法経大学、カナディア・パーク(プノンペン鉄道駅前)のバス停を経由し、キャノン・ライフル・ラウンドアバウト・パーク(カンボジア日本友好橋近く)まで運行する。
(注5)Grab、PassApp、Wownowなどの配車アプリや、Hertz、Eurocarなどが提供するレンタカー。
(トー・タイ、ニティ・へン)
(カンボジア)
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