香港で「一帯一路サミット2025」が開催

(香港)

香港発

2025年09月24日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)と香港貿易発展局は9月10日から11日にかけて、「一帯一路サミット(BELT AND ROAD SUMMIT 2025)」を香港コンベンション&エキシビジョンセンターで開催した。第10回を迎えた今回のサミットでは、「変革のための協力、共通の未来の構築」をテーマに掲げ、6,000人超が参集した。90人超の政府・経済界の関係者らがスピーカーとして登壇し、貿易、商取引、投資、イノベーション、技術、グリーン開発などの分野におけるビジネス機会ついて議論がなされた。また、本サミットに際し、政府と企業間で締結された覚書(MOU)は過去最多の約50件に上った。

李家超(ジョン・リー)行政長官は開会あいさつで、「本サミットは政府間、企業間、人的、文化的交流を統合するものであり、過去10年間において120以上の国・地域から4万5,000以上が参加し、2,800件以上のプロジェクトが発表されてきた」と本サミットの成果を強調した。また、香港政府の国際貿易ネットワークの拡大に向けた取り組みついて、李行政長官は、自身も過去3年間で「一帯一路」構想に参画する12カ国を訪問し、香港との間の160件以上の覚書などの調印の場に立ち会ってきたと言及。そうした中、香港の同構想に参画する国・地域との間で締結した自由貿易協定(FTA)は14件、投資協定は20件、包括的二重課税防止協定を37件にのぼっており、同構想参画国との間の貿易額は2024年に2,760億ドルを超え、2013年比で約80%増となったと紹介した。

このほか、李行政長官は、同構想における香港の役割および優位性について、「中国の優位性とグローバルな優位性を兼ね備えた唯一の国際都市である香港は、協力の主要なゲートウェーとして位置付けられている」と強調した上で、「スーパーコネクター」としてのみならず、資本やプロジェクトに活力、イノベーション、持続可能性、戦略的価値を与える「スーパーバリューアダー」としても、同構想の質の高い発展を引き続き推進していく旨を表明した。

サミットでは、「一帯一路」構想に関する「東南アジアや中東とのさらなる連携強化」「投資」「エネルギー、天然資源と公共事業」「気候変動に強いインフラ構築のための金融の開放」「イノベーションと技術」などをテーマとした個別セッションやパネルディスカッションが行われたほか、若手ビジネスニューリーダーによる対話とネットワーキング、参加国のブース出展、ブース出展企業によるビジネスマッチングなどが行われた。

写真 開会あいさつの様子(香港貿易発展局提供)

開会あいさつの様子(香港貿易発展局提供)

写真 展示エリアの様子(香港貿易発展局提供)

展示エリアの様子(香港貿易発展局提供)

(越川剛)

(香港)

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