富山で「インドビジネスセミナー」開催、ビジネス展開・高度人材をテーマに

(日本、インド)

富山発

2025年09月02日

ジェトロは820日に「インドビジネスセミナー」(共催:富山県・富山県新世紀産業機構、後援:北陸銀行)を開催した。富山県では202412月に新田八朗知事がインドを訪問し、南部アンドラ・プラデシュ(AP)州との覚書を更新する(2024年12月24日記事参照)など、県内でインドビジネスへの関心が高まっている。これを契機に、ジェトロは20254月に「富山県・インド経済デスク」を富山県庁と共同で開設した。本セミナーは、この取り組みの一環として、富山企業がインド進出などについて考えることを目的に開催された。6月には、一時帰国中の小野啓一駐インド大使が同デスクを訪れている。

本セミナーは、「ビジネス展開」と「高度人材」をテーマに実施した。「ビジネス展開」では、はじめにジェトロ・チェンナイ事務所の白石薫所長が、人口減少が続く日本においては中小企業も海外に目を向けることの重要性や、インドでビジネスを始めるきっかけづくりなどについて解説した。また、インフォブリッジグループ代表の繁田奈歩氏は「やってみないと分からないインドでは、『小さく始めて早く回す』ことがポイントである」と語った。

「高度人材」では、AP州の大学に通うインド人学生4人を採用した富山大扇工業(富山県上市町)から、内定に至るまでの経緯や今後のインド市場展開に関する見通しなどが紹介された。その後の「ビジネス展開」と「高度人材」の双方の視点からのパネルディスカッションでは、日本のものづくりに対するインド人の関心の高さや、地域によるインド人の考え方の違い(地域差)などについて議論された。

写真 講演の様子(ジェトロ撮影)

講演の様子(ジェトロ撮影)

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

セミナーには会場、オンラインを合わせて108人が参加するなどインドへの関心の高さがうかがわれた。会場内からは、「ニューデリー近郊に駐在員事務所を開設予定」との参加者の声も聞かれた。人口減少などを理由とする日本国内での採用難から、インドからの高度外国人材採用に関する問い合わせが「富山県・インド経済デスク」に寄せられるなど、インドへの関心の高まりが感じられた。

(田村健)

(日本、インド)

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