一風堂がハノイ市に初出店、ベトナム国内では4店舗目
(ベトナム、日本)
ハノイ発
2025年09月16日
ラーメン店「一風堂」は8月31日、ベトナムのハノイ市内で初となる店舗を、商業施設「ロッテモール・ウエストレイク・ハノイ」内に開業した。2019年3月にホーチミン市でベトナム1号店を出店して以降、国内では4店舗目となる。既存の3店舗はいずれもホーチミン市内にある。
一風堂のベトナム店舗は、力の源ホールディングス(本社:福岡県)傘下のCHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGS(本社:シンガポール)が、ライセンスパートナーであるPizza 4P'sコーポレーション(フォーピース、本社:ベトナム、注)とともに運営している。
CHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGSの執行役員で、ASEANの直営店事業とASEAN・オセアニアのライセンス事業を統括する椎葉洋太氏は、今回のハノイ出店について「これまで同市のマーケットを視察し、ベトナム人をターゲットにビジネスを展開できる感触を得ていた。パートナーの4P'sの尽力によりホーチミン市の店舗運営が軌道に乗り始めたことに加え、良い物件が見つかったことから、このタイミングでの出店準備を進めてきた」と話した(ジェトロヒアリング、9月11日)。
一風堂のグローバルスタンダードである「白丸元味」や「赤丸新味」「からか麺」などを軸に、バンズや餃子(ギョーザ)などのサイドメニューをそろえる。白丸元味はレギュラーを税抜き価格11万4,000ドン(約638円、1ドン=約0.0056円)、替玉は2万ドンで提供する。ベトナム独自の商品も、両社で共同開発する。
麺はベトナム国内で自社製麺し、各店舗へ配送している。スープや基だし(カエシ)の一部は輸入し、日本や他の海外店舗と同様に、一風堂のクオリティーを満たしたラーメンを提供する。ただし、ベトナムは塩味に敏感な客が多いため、説明を加えながら提供時に味の調整を行っているという。
椎葉氏は4P'sとのパートナーシップについて、「多店舗展開のノウハウや食材のこだわりに加え、店舗ごとにコンセプトをもった設計をしている点など、当社として学びも多い」と話す。将来的には、現在の4P'sの店舗数と同規模の30店舗程度まで拡大することを目標に、ハノイ市とホーチミン市を中心に店舗を増やしていく計画だ。
店舗の外観(ジェトロ撮影)
店内の様子(ジェトロ撮影)
(注)Pizza 4P'sは、益子陽介氏がベトナムで創業したイタリアンレストランチェーン。2025年9月現在、ベトナム国内35店舗に加え、日本、カンボジア、インドネシア、インドで店舗を展開する。
(萩原遼太朗)
(ベトナム、日本)
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